寺澤ななお

自分らしく まっすぐに 正々堂々と それで実るならば苦労しない。 あがくと決めた若き乙女 少し捻れた恋の連句

　異世界に召喚されてから５日。俺は絶望している。 会社からの帰り道。突然光に包まれて降り立った先はお決まりの中世風ファンタジーな世界。 　魔法こそあるものの、電気もなければス…

「頼む、今回だけお願いできないか？」 悪魔はささやく。 世の中の理《ことわり》に背く提案を 「金は払う。今回だけ、今回だけだ」 実行犯にも得があるかのように悪魔はささやく。…

好きでこうなったわけじゃない。 ただがむしゃらに生きていただけだ。 幼いころに蒸発したクソ親父のせいで、母は四六時中仕事に追われていた。 したがって私は家事をしながら二…

背伸びをして机から立ち上がり、ダウンジャケットを着込む。外に出て吐く息は鮮明に白い。 ２月の23時。日課となった散歩に出かける。駅から離れた住宅街はとても静かだ。そして、星がや…

君が好きだ。 子犬のような笑顔。 活発な君にお似合いのショートカット。 野良猫を見つけたときのキラキラとした瞳 君一人しか世界に存在しないような真剣な表情で、大学の講義に没頭…

ぬいぐるみが好きな女の子に恋していた。 具体的に誰かに恋していたという話ではない。 理想。もしくは妄想の世界の話である。 そして最愛の妻に巡り合った。 たとえ、妻がぬいぐる…

話の序盤なのだろうか。 彼女は黙々と本を読んでいる。 彼女の席から少し離れた席に座る。 程なくして、彼女がコーヒーを口にし、僕の存在に気づいた。 彼女は照れくさそうに会釈する。…

田舎村に産まれたピーターが授かった異能は「兎」。スキルは逃走成功率を上げる「脱兎」だけ。「剣豪」や「弓神」などのほかの異能者が使える一撃必殺技はない。 なのに、常に「発情期」。魅…

大学時代に彼女ができた。卒業し就職し、仕事が落ち着いた時期に結婚。残りの人生を共に生きることを決めた。大手企業からヘッドハンティングも受けて、他人がうらやむようなキャリアアップを…

田原総一朗、享年95歳 きっかり50年後、間宮凜太郎に現世に生まれ変わった。前世の記憶が蘇ったのは18歳の頃。そして、噺家としての道を歩み始める。 「なぜ、落語はおもしろいか…

小さいころ、僕と君はいつも一緒だった。 君といるのが当たり前だった。 大人になったような気がして、大人に近づきたくて 君を捨てた俺を クズみたいな俺を 君は受け入れてくれるだろう…

誰かが言った。 早坂ビアンカは砂漠に咲く一輪の花である。 ある人は言い返す。 いや、大宇宙で燃え続ける太陽であると。 男だけの飲みの場になると話題はこればかり。我社のアイ…

あの映画のワンシーンのように、結婚式から花嫁を連れ出す定番のシーン。 それをやってみた。 87歳の老人が。

「クリエイティブな人とじゃないと恋愛できないんです」 理沙は悪びれもなくそういった。 俺は苛ついたが言い返すことができなかった。

題材は同じ。セリフはほぼ同じ。相方はいない。フリップもねぇ。テロップもねぇ。バックグラウンドミュージックもねぇ。持てる小道具は扇子と手拭いぐらい。 なのに……なぜ落語はおもしろい…

才色兼備、文武両道の女子大学生「城之内玲奈」は我が校だけではなく、日本全国の学生にとっての高嶺の花だ。 俺こと相葉悟朗はその彼氏だ。なりたての。しかも告白してきたのは向こうから。…

約100年周期で復活し、災厄をもたらす。 そのタイミングに恵まれなかった「俺」は 魔王討伐の勇者となることを諦めた。 いや、諦められたということがふさわしい。 二刀のレイピアをふ…

俺を助けてくれた英雄、二刀流の「双騎」 その強さを証明するため、俺は強くなった。 最強最悪の二刀流狩り「赤混じり」を倒すことでそれを成し遂げてみせる

戦国時代中期、九州・日向国に生きた甲斐武摂。剛剣の使い手として名を馳せるも、合戦終了後の奇襲により命を落とす。 神様の計らいで転生した先は異世界。強者との戦い、そして良い女との出…

俺は高橋雄志。29歳。武蔵野に住み、武蔵野で仕事しながら平穏な日々を送っていたが突如異世界へと召喚される。勇者候補から外された俺の唯一の心残りは「武蔵野うどん」だった。いざ食べら…