ツイートだと流れていっちゃうからこっちのほうが記録性高いなと思って、ここにも書いておくことにしました。
ゴーゴリ「ヴィイ」を読みました。講談社文芸文庫です。
今はもう引退しちゃったんですが、ちょっと前までやってた某英霊召喚スマホゲームで某アナスタシアの某宝具名に使われてることで興味があった小説です。
ウクライナ辺りの土着の民話を元に書いたものらしいですね(ゴーゴリはロシアの作家です)。
めちゃくちゃ面白かったです。
以下あらすじ。ネタバレだらけなので知りたくない人はここまでで。
キエフの神学校に通う生徒たちは日々ハッスルし、土臭く暮らしていた。
夏休みの時期、帰郷の旅に出る寄宿生たち。宿と飯を求めて民家を訪れ、老婆の家に泊めてもらうことに。
安心も束の間、実は老婆は魔女で、神学校生たちの一人、ホマーに目をつけ、部屋を訪れる。魔女は魔法でホマーの自由を奪い、背に乗って無茶苦茶走らせる(ヤバい)。
なんかすごく幻想的なとこを走らされながら(ここの描写最高)、お祈りの呪文を唱えるホマー。これがまさかの有効。逆転し、木の枝でボコボコ殴る。
魔女が艶っぽい声を上げて倒れると、そこには若い美女が。本当は老婆じゃなかったっぽい(なんで老婆に化けたんだろう)。
ホマーは逃げ出して、神学校に帰り着く。そこで酒飲んで暮らしていると(切り替えが早い)、どこぞの権力者から、娘が危篤で、祈ってほしい、との依頼が、ホマー宛に届く。
どうやら娘の指名らしい。
やだなあと思いつつも、無茶苦茶うまみがあるので校長が縛ってでも連れてけい!みたいになり、屈強な男たちに囲まれて送り届けられることに。
なんやかんやあって権力者のとこに着くが、娘はホマーが祈る前にご臨終。娘の遺言により、三晩、教会で読経してやってくれと頼まれる。頼むというか脅される。
この娘が、木の枝でボコボコした魔女なんですな。ボコボコにされたダメージで死んだらしい。
仕方ないから夜の教会で読経してると、棺の中から死んだ魔女が起き上がる。ホマーは床に円を描いてお祈りを続ける。この円と祈りが防御的な効果を発揮して、まず一晩しのぐ。
次の晩には魔女側も魔物の群れを召喚したりして、攻防はさらに激しくなる。
逃げ出そうとしたりしつつも失敗し、三度目の晩──さあ、勝つのはどっちだ。
という物語です。絶対面白いでしょこんなん。
魔女だなんだの描写には幻想的な雰囲気が漂ってるんですけど、一方で全体的に土臭いかんじもあって、このバランスが最高でした。
ヴィイは怒った魔女が読んだ魔物、妖怪みたいなやつのうちの一匹で、こいつもまた土臭いんですよ。
戦いの後の教会の描写もめちゃくちゃよくて、最高のオカルトストーリーだなって思いました。
「ヴィイ」を収録してる文庫は大体絶版で、たぶん新品で手に入れるのは難しいと思うんですが(僕は中古で買いました)、それでもオススメしたくなっちゃうくらいにはオススメです。「妖女」ってタイトルにしてる訳もあるみたいですね。
ゴーゴリは他に「外套」と「鼻」を読んだことがあって、特に「外套」は好きな小説ベスト組むなら絶対挙げるレベルで大好きなんですが、他のものも読んでみたいなあって思いました。
訳者の吉川宏人さんによる解説も読んだんですが、「ディカーニカ近郷夜話」と「死せる魂」が面白そうでしたね。
というわけで、ゴーゴリは推せます、というお話でした。(興味があれば、「外套」は青空文庫にもあるし入りやすいかと思います)
近況ノート読書記録、初めてなのでネタバレの度合いとかあらすじの量とか完全に探り探りです。
今後もまた何か読んだら(本あんまり読むほうじゃない)、もっとさらっとかもしれませんが、書いてみようかと思います。
(昔読んだ本のオススメとかもちょっと書いてみたいかも……)(ネタバレ大量で感想書けるのありがたい)