健牛幻樹(すこぶるげんき)ってなんだよ!(逆ギレ)
はい。というわけでね。好みのタイプのキャラに勢いで変な芸名付けちゃったことを無茶苦茶に後悔しております、玉手箱つづらでございます。
(忘れられた頃にこっそり変えちゃうかもしれんくらいほんとに後悔してます)(私が彼を刺し殺しました)(泣こうが喚こうがこぼれたミルクだった)
これアイドルじゃなくて、いかがわしい映像作品専門の男優の名前ですよね。ほんとひどいな。なにが牛(ぶる)だよ。
ええと、いま後書きほぼ書き終えた辺りから戻ってきたんですけど、ちょっと脱線が長すぎるので、最初に作品について色々、言わなきゃいけなさそうなことを書いておきます。
まず、5を結構修正しちゃったこと。
なんかいつもよりスラスラかけたから止まりたくなくなっちゃって、夜通しで書いて、よしいい感じだぞぉ!ってあげたんですけど、なーんかすごい急ぎ足みたいな、不格好な文になってたので、ちょっと見てられなくなっちゃって、直しちゃいました。一度あげたものを直すのはあんまりよくないですよね。反省です。
次に、タグにしてた「コメディ」を消して「ドタバタ」に変えちゃったこと。
コメディになると思ってたんですよね。あの、三谷幸喜作品みたいなかんじで、いけると、思って、たんで、す……けど……。結果的に釣りみたいな形になっちゃったよなあと思って、猛省しております。なると思ってたじゃねえ、ちゃんと操縦しろ、って話ですよね。申しわけないです。
あと、これは反省とかじゃなく、もしよろしかったら教えていただけたら、みたいなかんじなんですけど、あの、暴力描写とか残酷描写とかって、これくらいでも付けたほうがいいですかね?
ちなみに暴力は「殺人だしなあ」「ナイフで刺してるしなあ」みたいなとこで、残酷は「殺人だしなあ」「舌噛んで血が出てるしなあ」みたいなとこで、一応セルフジャッジしています。過剰だよ過剰~ってとこがあったら教えてもらえると幸いです。
そして最後に、前回の近況ノートに書いた「ちょっと長いもの」というのは「しっちゃかめっちゃか」のことではないです。それの息抜きで書いてたのがこれになります。紛らわしい気がしたので、一応。
では、以下雑文。
昔……5、6年前くらいですかね、某有名インターネット掲示板で、「咲SS」が流行ったんですよ。アニメ化もしてるトンデモ麻雀漫画「咲 -Saki-」の、えーと、文字による二次創作ですね。
(この場合の「SS」っていうのは「ショートストーリー」とか「サイドストーリー」とか「ショートショート」とか……なんか由来候補がいくつかあった気がするんですけど、ほんとのところなんなのかは、僕もよく分からないです)
色んなところで色んな人が色んな形で活動してたので、一口にこういうのとは言えないんですけど、僕が主に触れてたのは
咲「バイクで海の上走りたいよ」
和「乗ってください」ブォンブォン
みたいなかんじで、名前と鍵括弧とオノマトペで9割以上が構成されてる、地の文無しのやつでした。要は戯曲本形式、みたいな。
この咲SSがねー、無茶苦茶おもしろかったんですよ。
当時の僕は寝ても覚めても咲SSでした。最初は読む側だったんですけど、だんだん自分でも書いてみたくなって、なんかチャカチャカ書いてましたね。もちろん有名どことかではなく、隅っこでなんか書いてるだけでしたけど、それでもすっごく楽しかった。
僕が最初にハマったSS文化は咲SSの更に5年前くらいに流行った「けいおん!SS」で、これも僕に多大な影響を与えたんですが(このときは読み専でした)(これについてはいつか機会があれば書きます)、咲SSの時は僕自身時間やらなんやらの余裕があった時期だったのもあって、まあドップリ行ったんですよ。
簡単にまとめると、けいおん!SSが僕の幼稚園で、咲SSが僕の小学校ってことですね。
冗談抜きで大切なことをたくさん教わりました。モノのジャンル問わず、美味いものは全部食べて血肉にしていきたいです。
咲SS、なんであんなに楽しかったのかな、と時々考えます。ので、それもちょっと書いてみようかなと思います。
(※以下は完全に個人的な見解です※二次創作へのスタンスの違いって結構過激な争いを生みますよね※)
まずはやっぱり元がいいからなんですよね。咲ってキャラとか設定とかが作り込まれてるんですよ。ポンポンポンとキャラが出てくるのに、表面的なとこ以外もちゃんと作られてて、影があって……。
そして「余白」がある。これが二次創作が盛り上がったポイントかなあと思っています。
キャラクターたちやその関係性に(、人間性とか、立体感を与えるようにちゃんと作られた上で)「具体的に描かれない」部分が無茶苦茶あるんですよね。想像の余地、というか。
だから、二次創作も全然窮屈じゃなくて、作りやすかった。
これが見たい、このキャラのこういうとこが見たい、このキャラとこのキャラの組み合わせが見たい。余白が多いと、キッチリカッチリできてるものより「はみ出し」への忌避感が弱くなるんですよね、たぶん。余白からはみ出してるかどうかって、ちょっと見えづらいし、あんまり気にならないから。だからゆるくなっていくわけです。
そんなわけで、咲SS文化は全体的に許容度がすごく高かった。
作中で会ったことないだろってキャラをくっつけたりとか、普通にあったんですよ。大学編、みたいなのもすごく人気があった(僕も大好きでした)。組み合わせが高校とか麻雀対戦上の面識とかに縛られないし、少し年を重ねたキャラたちがどうなるか、ってのも描けるわけです。誰もあの世界の大学がどんななのかなんて知らないから、そこは想像で書くんですよね。
そしてその許容度の高さ、言い換えれば「遊び」の幅の広さが、某インターネット掲示板におけるSS文化とケミストリーを起こしたりもしたのです。
咲SSには真面目というかシリアスというかなもの、恋愛もの、みたいなのも多くあった一方で、カオス系だったり、なんかもう全くジャンルが違う(のに妙に真面目だったりする)(原作×別ジャンルっての自体はSS文化に結構見られたものでもあります)ものもかなりの割合を占めていました。
なんかもう、正直なんでもありみたいなとこがあったんですよね。もちろん読む人によって「これはNG!」「これは嫌い!」ってのはあるんですけど、少なくとも文化内世論にそういうコードみたいなものは(たぶん)(あんまり)無かった気がします。自由度が高かった、と言い換えてもいい、ですかね。
これがねー、僕が咲SSを好きだったとこの、結構大きな1つですねー。
カオスがどうカオスだったかっていうのは、たぶん説明しても仕方のないこと(というかたぶん伝わらない)なので書かないことを許していただきたいんですけども、まあ要は開放感があったんですよね。
当時僕は文芸部に所属しながらもなんか書けない時期に入ってた頃で、たぶん僕の意識する「小説」の枠と、自分の中にある「書く」の方向性とが全然噛み合ってなかったんですよね。いま噛み合ってるのか問題はこの際置きますけども、今より噛み合ってなかったわけです。
(まあ僕の小説家としての問題点はこれ以外にももっともっと、量的にも質的にももっと、あるわけですけど、それも置きます)(いま大事な話してるんだ)
だけど、咲SSはなんか書けたんですよ。1つにはキャラが既にいるっていう、めちゃくちゃありがたい前提があって(キャラ作るのってほんと難しいんだよな)、それは絶対欠かせないポイントなんですけど。
もう1つとして、カオスの筆遣いが、なんか当時の僕にはすごく合ってた。ってことがあると思ってるんですよね。とにかく書いてて楽しかった。書けない時期に書けるものがあったのは、幸せだなと思います。
(ほんと、全然評判のSSとかは書いてないんですけどね)(当社比、当社比の話でございます)
ごちゃごちゃの話は終わりにして。
あの頃書いてた経験が、今に少しでも活きてればいいなと思います。ていうか、たぶん活きてるから、よかったなと思います。
ようやく後書きらしいことを言うんですけど、今回の「しっちゃかめっちゃかと愛のピース」は、その頃の書きかたを自分で思い出しちゃうようなことが結構ありました。
だいぶ見切り発車的に始めた(んですよ、息抜きのつもりだったので)のもですし、あと、カッコつけかたもそれっぽいとこがあったり……んー、書き出すほどじゃないんだけど、実感としてはそういうものが沢山あったなって。
逆にそれが小説的にはちょっと浮いてるかも、ってとこがあれば、それはちゃんとコントロールしていきたいところですよね。
血肉にして、練り込んで、僕にしたい。みたいな。
あんまりこういう、なんていうんですかね……某インターネット掲示板文化みたいなものとか、二次創作文化みたいなものをしたり顔で語るの、よくないよなあっていう後ろめたさはあるんですけども、
なんか今回書いててほんとにあの頃のことを思い出しちゃったので、自分語り半分のつもりで書きたくなってしまいました。(自分語りもよくないって説があるが、それはもう許してくれ)(その罪は背負えない)
そんな気持ちを引用で表して、長すぎる後書きを終わろうと思います。
「ぼくはそれを楽しんでいた。そんなことを楽しむのは最低だったけれど、そのときは最低の気分だったのである。」
(アーネスト・ヘミングウェイ『日はまた昇る』より)
大好きな文章です。いつかこんなんが書けたらいいなと思います。
(ククク、SSからの引用かと思ったか……それは流石に雅さに欠けるのでしないんだなこれが……ククククク……)