先日、私はメンタル的に復調したと近況ノートに書きました。あれは嘘でした。
いえ、正しくはその時点までは復調したと思っていたんですよ。これまでで自分史上最高の作品ができたぞ。気分は最高にハイであり、よし、明日からまた仕事も頑張ろうという気分で床につきました。
翌日、仕事中に異変に気づきました。復調したのは創作関連に集中している時だけだったようで、思考がモヤがかかったように定まらず、資料が入ったフォルダを探すことすら、やたらと時間がかかりました。仕事用のチャットアプリの通知は容赦なく流れます。
「プレゼン資料の完成は3日前までです」
プレゼンがあるのは明日。にもかかわらず、焦るような感情の波が自分に訪れない。終わってると自分でも思いました。しかし、それを今送るの? と思いながら、私は冷静にチャットを返します。
「徹夜してでも終わらせます」
「徹夜するような内容かな……」
私は無の感情で無視し、自分の世界に閉じこもりました。そうなんですよ。そんな大した内容じゃないんです。なのに気が遠くなるような時間が必要な気しかしませんでした。だから私は徹夜するとあらかじめ宣言しました。
やがてオフィスには誰もいなくなります。誰もいなくなったし、自分の作ったAI楽曲でも聴きながら頑張ろう。あれ、まだ終わらない。なんで?
吐き気がする。呼吸を整え一手。呼吸を整え一手。素数はさすがに数えませんでしたが、意味もなくオフィス内を歩き回り、零時でリセットされたスマートウォッチの歩数は5000歩を超えました。
途中で仮眠しながら結局、エンジンがかかったのは朝の4時で、始業前ギリギリでようやく完成を迎えたのでした。
これは絶対におかしい。私はその日の定時後、人生初めてのメンタルクリニックを予約したのでした。
診断の結果、原因は慢性的な不眠と過労で4ヶ月休職してくださいとのこと。それはさすがにちょっと……と言うと、薬を使いながら業務量を減らしてくださいとのこと。それならと私は診断結果を受け入れたのでした。
創作している時は絶好調な感じがしていたのですがね。自分の感情がすべて筆に乗るような気すらしました。ランナーズハイみたいな感じだったのかもしれません。
そんなこんなで生まれた、以下のカクヨムコン用の書き下ろし作品。引き続き、よろしくお願いします!(宣伝が長い)
『外道のためのソングライン』
https://kakuyomu.jp/works/822139840472395224