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ストックゼロΣ(゚д゚lll)

こんばんは。

第四十三回で十八章は終わり。次回からは新章に突入するわけですが、手元のストックはゼロ。ゼロです。いやー参りました。
『通俗續三國志』の更新を始めてから、ストックゼロは初めてだなあ。

というわけで、次回からは不定期更新になります。なるべく週に一回二回は更新できるように頑張りますー。

さて。
そんな徳俵イッパイの状況とは対照的に、当初から楽しませて頂いていた、かの作品が完結しましたね。

【漢文超訳】襄陽守城録―最前線に着任したら敵軍にガチ包囲されたんだが―
氷月あや
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884171637/episodes/1177354054884171707

おつかれさまでした。

最終局面界隈を精読できていないのは無念の極みですが、マニアックな史料を読みやすく超訳したお仕事は、本サイトで翻訳を手がけてみたいという(奇特な)方々の指針になりそうですね。
史料の翻訳も工夫次第で多くの方に読んでもらえる、という素晴らしい先例です。

小説は極小数の例外を除いて流れ去り、翻訳は時間を経ても価値を減じない、なんてのは言い過ぎですが、翻訳は深く読み込むための有効な手段です。他言語や古文を好きな方には面白いと思いますよ。

12件のコメント

  • お疲れ様です。
    ストックゼロですかー。ぼちぼちやっていきましょう。
    その間に、まだ読めていないところを追い付きます。

    私のほうもついに完結となりました。
    何か寂しいです。
    いつも応援をありがとうございました。

    来年度は心機一転して、また新たな史料に取り組みたいところです。
    読まないと鈍る!
    『武経総要』の挿絵入り版が母校の書庫にあったはずなので、時間を見付けて関西に滞在して全部コピーして、そしたら今度は北宋の戦術の話ができるようになります。
    挿絵なしの『武経総要』はしんどいので。

    まめさんたちの漢文の会にも顔を出してみたいです。
    東洋史においてやりたいことが、カクヨムで漢文を始めてからどんどん広がっています。
    縁ですね。
    マイペースに楽しんでいきたいと思います。
  • こんばんは。
    最近は訳もちと荒くなってましたから、少し時間を空けるのがよさげです。気分屋は仕方ないですね。

    『襄陽守城録』、おつかれさまでした。一人が書いた長文を訳すというのはなかなかないですから、趙萬年さんが知己のように思えるのも宜なるかな、です。しかし、趙氏が萬年かあ。。。なんと言うか、作為的な名前ではありますね。筆名かと疑ってしまいました。
    個人的には精読が終わっていないので、読了とは言い難いのですが。。。

    漢文は読まないと鈍りますね。さきほど、佐藤さんのところで『世説新語』を一編読みましたが、ダメダメです。鈍ってます。
    『武経総要』は鈍った身にはヘビィそうでした。より詳しく軍事を知るにはよい史料ですし、前集巻十六以降の地理も興味深いです。このあたりは『讀史方輿紀要』にも吸い上げられているようですね。

    まめさんが参加されている漢文の会は『漢書』を読まれているそうですので、キレイな漢文にあたれそうです。『襄陽』が白話との汽水域気味でしたから、完全文語も新鮮かも知れませんね。まめさんが喜びそう。。。

    時間があれば『漢書』も読んでおきたいところですが、その前に手をつけたことを片付けないといけません。やはり中途半端はよくないですから。
    まあまあ、4月まではゆるゆると進めていきます。あくまでお楽しみですからね。楽しんでいきましょう。
  • 『襄陽守城録』、原文はまだですが、超訳は、私も読みました! 氷月さん、お疲れ様でした。

    実は、私の漢文は余りにも拙いので、実は見てもらいたくない気持ちもあります(笑)
    確かに継続しないといけないと思っているので、なんとかやっていけているだけです。

    私は、翻訳の方は『三国志後伝』以外ではやろうという気は起きませんでしたね。楽しんでいくことが一番なので、少し時間を置くのもいいと思います。

    ところで、にゃもさんから紹介のあったもう一つの論文徳田武「『新刻続編三国誌後伝』と『通俗続三国志』」を読みました。

    これは、是非、河東さんにも読んで欲しい内容ですね。

    内容は、徳田先生は滝沢馬琴の『近世説美少年録』の一部の元ネタが『通俗続三国志』にあることを見つけ、さらにその原作が、孫楷第『日本東京所見小説書目』の『新刻続編三国誌後伝』(以下、『三国志後伝』)の所にある引が『通俗続三国志』の序とほぼ同文であることから、見当をつけました。

    しかし、孫目によると『三国志後伝』は日本に存在せず、北京図書館にしかないことが分かります。徳田先生は、昭和60年からの1年間の間に北京を留学先に決め、調査を行います。北京図書館でもフィルムしか残っておらず、原本は台湾に運ばれたことを聞きます。なお、台湾でも原本は所蔵されておらず、アメリカに寄託されたらしいことが分かります。

    フィルムのコピーを断られた徳田先生は、やむなく筆写で『三国志後伝』を書き写します。結局、写せたのは序・引・目録・第十九回まででした。徳田先生は、昭和62年の論文発表段階で、「『三国志後伝』の原文を一部でも読んだ日本人は自分のほかはいないだろう。著名な中国小説研究家まで失われたとしているから、中国研究者でも閲覧している人はないのかもしれない」、とまで語っています。

    徳田先生は、ここで『通俗続三国志』の初期の『三国志後伝』の複雑な翻訳と翻案について、二つを比較して語りますが、河東さんと私には、今更なことなので、ここでは割愛します(笑)。途中で、徳川幕府の封建制批判になりそうだから、西晋の封建批判を割愛しただろうという推測は面白いのですが。

    翻訳に関しては、中村昴然さんが多用する白話を訳しかねた、あるいは読み切れない場合があることも全体を通じて見いだされると指摘しています。

    また、途中からは三国志後伝の第八回からは原作順になり、90%程度の叙述内容を把握することができていくであろうと予想しています。

    最終的に、①これは翻訳というより翻案であり、『通俗続三国志』は読本の前史としての作風を持つが、原作より面白くなったか疑問であること、②『三国志後伝』は大変希少で、上海図書館とアメリカ国会図書館しか班本の存在は確認されていないこと、を指摘しています。

    そして、『通俗続三国志』・『通俗続後三国志』はそれほどの秘められた『三国志後伝』の内容を我々に知らせてくれる世界でも最古にして唯一といえる翻訳である。中村昴然・尾田玄古の時代はさほどの資料的価値も出なかったのかもしれぬが、現代において両翻訳には、またと無い珍重さるべき資料的価値が生じていることがここに判明した、と語っています。

    色々と語りたいことがまだまだありますが、とりあえず、ここまでにします。日本語で分かる範囲はほぼ到達した感がありますな。
  • こんばんは。

    〉徳田武「『新刻続編三国誌後伝』と『通俗続三国志』」

    なるほど。1980年代の論文のようですが、初出が『岩波』になってますね。愛書家向けに『通俗』を解説したものみたいですね。

    情報を整理してから改めて書きます。
    ふうむ。。。
  • 注釈にも重要な情報がありましたので、追加します。

    この『三国志後伝』については、東京大学東洋文化研究所・東洋文庫のフィルムを調査したが存在せず、台湾の天一出版社の「明清善本小説叢刊」の第十三輯「三国演義専輯」に『新刻続編三国誌後伝』(1985年10月に発行)でやっと確認できたそうです。ですが、この叢刊本の影印の程度は不良で判読不能の箇所が余りにも多く、この段階では『通俗続三国志』・『通俗続後三国志』の価値は減じていないと判断されています。

    それからの中国での出版の経緯、維基文庫や中國哲學書電子化計劃に記事が掲載されたのはいつかという疑問の解消はまだですが、

    これでなぜ、私の『反三国志よりも出来がいいのに、なぜ、三国志ブーム(1990年前後)の時に翻訳されなかったのか? 売り上げが見込めたであろうに』という疑問はほぼ解消されたようですね。

    おそらくは、その当時は、『通俗続三国志』・『通俗続後三国志』だけしか確認できず、『三国志後伝』の原本を確認せずに、仕事を引き受ける方はいなかったのでしょう。原本がないならともかく、あるのに確認しないのは誉められた話しではないでしょうから。
  • こんばんは。
    ちと調査に時間がかかってしまいましたが、徳田氏論文はなかなか興味深いものがありますね。しかし、補正が必要な部分もありそうです。

    元禄16年(1703年)
     中村昂然『續三國志』序
    正徳2年(1712年)
     尾田玄古『續後三國志』序
    文政12年(1829年)
     曲亭馬琴『近世説美少年録』刊行開始

    まず、引用は十分成立しますね。


    > 孫目によると『三国志後伝』は日本に存在せず、北京図書館にしかないことが分かります。

    昭和6年(1931年)1931年
     孫楷第が東京に訪書に渡る

    この時、孫楷第さんは東京で『新刻続編三国誌後伝』を実見されたのではないかと推測されます。そうでなければ、『日本東京所見小説書目』に『新刻続編三国誌後伝』が掲載されるはずがないと思うので、このあたりに疑問を持ちました。

    そこで、少々調査を行ってみました。

    まずは、まめさんご教示の明清善本小説叢刊の国内保有状況です。
    明清善本小説叢刊『三國誌後傳 : 新刻續編』(天一出版社、1985年10月)
    https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA65391621
    https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA52286238
    日本では東大、信大、関大にしかないようですね。ふーむ、なるほど。

    しかし、東大に何かヤバそうなのがありました。
    私製って何なんだろう。写本?
    『三國志後傳』
    https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA6633795X

    さらにリンクを探ってみると驚きの事実が。
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?lang=0&opkey=B151990130209996&srvce=0&amode=11&bibid=2001821069
    この本は”東洋文庫所藏萬暦刊本の複製”、つまり、これは東洋文庫が保有していた万暦刊本の写本とのことです。いつからかは不明ですが、東京には万暦刊本が存在していたわけです。

    ご承知のとおり、東洋文庫の創設は1924年ですから、孫楷第さんが東京に訪書に来られた際にはすでに設立済み、設立より中国の書籍を大量に購入していたことはよく知られます。

    つまり、孫さんが訪書に来られた時、あるいは、徳田さんが調査された時には存在しなかったかも知れませんが、かつて東洋文庫には『三國志後傳』の万暦刊本が存在していたわけです。

    よって、国内保有では東京大学の写本が一番古い版本になるのかも知れません。結論としては、日本には万暦刊本が残っている!
    インターネットってスゴイ。。。

    国内最古の刊本を確認したところで、『三國志後傳』の普及についてですが、先に見たとおり、明清善本小説叢刊は国内で3か所のみ購入、よって普及しませんでした。
    一般的な大学図書館に配架されるのは1990年を待たなくてはなりません。

    古本小説集成『三國志後傳』(上海古籍出版社、1990年8月)
    https://ci.nii.ac.jp/ncid/BN10923257
    これは大学図書館を中心に全国35か所に配架されていますので、この時をもってまあ稀覯書ではなくなったと言えますかね。それでも一般の人の目に触れることはないでしょう。
    おそらく、明清善本小説叢刊より出来もよかったでしょう。

    なのでまあ、三国志ブームには間に合わなかったわけですね。

    うーん、そういうことでしたか。
    しかし、こういう調査手法もあり得るんだなあ。。。勉強になりました。
  • 河東さん、本当にすごい!!!!!!!!!

    徳田先生も同じ疑問を持たれて、東京大学東洋文化研究所と東洋文庫を調べたみたいですが、フィルムであるという先入観をお持ちになっていたためか、『新刻続編三国誌後伝』という名称という名に囚われていたか、見つけきれなかったようですね。東京大学東洋文化研究所に行かれたのは、伊藤漱平先生であり、徳田先生ご自身ではなかったのも大きかったかもしれません。

    しかし、これは学会で発表できるほどの大発見では?

    徳田先生によると、原本が世界に2冊しかないと認識されていたものですよね?

    上海古籍出版社が、上海図書館のものを印刷したものだとすると、
    酉陽野史のものは、

    续三国演义  岳麓书社 2003.1
    续三国演义  齊魯書社 2006.1
    三國志後傳 上海古籍出版社 2007.12
    https://ci.nii.ac.jp/books/search?advanced=false&count=20&sortorder=3&q=%E9%85%89%E9%99%BD%E9%87%8E%E5%8F%B2&type=0&update_keep=true

    これで全部ですから、徳田先生が正しいとすると、
    東大のものがアメリカ国会図書館と上海図書館のものより古ければ、世界で最古のものとなります。

    また、徳田先生の論文のために日本人はおろか、中国人研究者も認識していないかもです。

    確か、三国志学会なら会員になれば、一般の方の論文発表も受け付けてますし、私も史学なら全くつてがないわけではありません。

    それが難しくても私の知り合いに相談して、それなりに大きくネットの記事にすることもできるかもしれません。

    これは上記の書籍の内容と、三国志後伝にかかる中国語論文を確認した方がいいかもです。

    ※私のツイートは研究者に見られている可能性があるので、三国志後伝関係のツイートはしばらく控えておきます。
  • こんばんは。
    楽しんで頂けたようでなによりです。

    〉これは学会で発表できるほどの大発見では?

    どうなんでしょうね。
    書誌学は専門外なので、よく分かりません。


    〉東大のものがアメリカ国会図書館と上海図書館のものより古ければ、世界で最古のものとなります。

    『通俗続三国志』序に書いたとおり、萬暦三十七年の序を持つ版本が最古とされていますから、孔祥義さんが見たものが上海図書館の蔵書であるなら、おそらくは同じものでしょうね。
    万暦は四十八年までありますから、再版の可能性もありますか。


    〉私のツイートは研究者に見られている可能性があるので、三国志後伝関係のツイートはしばらく控えておきます。

    ツイートされても、まめさんが深掘りされてもいいんじゃないですか?せっかく徳田論文も調べられたんですから。
    書誌学の方面は疎いですから、詳しい方がさらに調べて価値があるなら発表されるとありがたいです。福岡大学の方の論文によると、李卓吾が一文を書いた節もあるようです。李氏は万暦三十年に亡くなっていますけど。。。
  • 欲がないですな。河東さんは酉陽野史か、中村浩然さんの生まれ変わりかも(笑)

    さすがに全然知らない他人に先に確認されては面白くないので(笑)、この関係のツイートは避けておきます。

    ここまで来たら、順番に次第に確認しておくことですね。

    まずは、私の住む福岡市近辺で古本小説集成『三國志後傳』を確認してその出来映えを見ることにします。

    次ぎに、東大で確認ですね。河東さんがもし、東大の図書館に行く機会がありましたら、お知らせください。(もし、許可してもらえるなら画像も撮ってもらえるとありがたいです)

    そうでないなら、私が近々上京して確認しようと思います。

    もし、世界最古なら、知り合いに記事にしていただけるかの相談を。そうでないなら、今まで認識されていたかの確認をして、されていないなら、togetterで私が記事にしましょう。

    >福岡大学の方の論文によると、
    >李卓吾が一文を書いた節もあるようです。

    これはどういった方のなんという論文でしょうか?

    宝探しみたいで楽しくなってきましたね。
  • こんにちは。

    〉欲がないですな。

    面倒臭がりなのです。


    〉古本小説集成『三國志後傳』

    Google先生が何とかしてくれませんかね。

    https://books.google.co.jp/books/about/新刻續編三國志後傳.html?id=x5VKAAAAMAAJ&redir_esc=y

    やはり上海図書館蔵書の影印版ですね。万暦37年刊本。

    国立国会図書館
    http://iss.ndl.go.jp/sp/show/R100000002-Ia1000007060-00/


    〉東大の図書館に行く機会がありましたら、お知らせください。

    キライなセンセイがいますからまず行かないでしょうね。そういえば、氷月さんがこないだ東大行ったとおっしゃっていたような。また行かれるかも。


    〉これはどういった方のなんという論文でしょうか?

    顧易生主編『中国文学批評通史』の訳注でした。23頁下段に述べられていますが、李卓吾の言なのか酉陽野史の言なのか、よく分かりません。

    https://fukuoka-u.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=1143&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1&page_id=13&block_id=39

    後はよろしくお願いいたします(ブン投げ)

  • ありがとうございます。

    中国語論文も『三国志后传』などで検索したらありますね。中国語はほとんど読めませんが、手に入れることができたら、読んでみたいと思います。

    >23頁下段に述べられていますが、
    >李卓吾の言なのか酉陽野史の言なのか、よく分かりません。

    これは原文を読まないと断言できませんが、出典が『新刻続編三国志引』とありますから、そこには李卓吾の発言はないので、『酉陽野史』を書名と勘違いしたものでしょうね。

    >後はよろしくお願いいたします(ブン投げ)
    自分で調査することにします。確認が終わったら報告します。
  • ふあい。
    よろしくお願いしまーすm(_ _)m
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