先週末発表された日本アカデミー賞で独立系の話題作「新聞記者」が下馬評を押しのけ作品賞と主演男優、主演女優の三冠に輝きました。大手の配給会社の作品ではなく、真正面から政権批判をした作品が主要の賞を独占したのは意外でした。今年の米アカデミー賞でアジアで初めて韓国映画の「パラサイト」が作品賞を受賞した影響があるのでしょうかね。
現役総理の肝入りで“お友達”の新設大学の獣医学部をモチーフにしたため、諸々の苦労があったことは女性記者役のシム・ウンギョンさんのキャスティングでも明らかですね。国内の売れっ子女優は政治的な“色”がつくのを嫌ったことは容易に想像できます。その点、正義感に揺れる官僚役を演じた松坂桃李さんには改めて勇気と決意に敬意を表したいと思いますし、この作品で主演男優賞を獲得されたことをうれしく思います。
授賞式でのシムさんの驚きと喜びようは感動的で、松坂さんの表情には充実感が感じられました。
三谷幸喜作品の「記憶にございません」や新海誠作品「天気の子」のように興行収入では遠く及びませんが「桜を見る会」や「検察庁ナンバー2の定年延長」の疑惑が浮上する今、改めて観る価値がある作品だと思います。まだ観ていないとおっしゃる方は是非、ご覧下さい。