西の大賢者様が亡くなったらしい。 死に際に発した言葉は『俺の財宝なら秘密の部屋に隠してある。好きなだけ探せばよい』だったそうで、以降、冒険者たちは西の大賢者様が残したとされる莫…

師匠が亡くなった。 葬儀に参列しなかった僕のもとに、彼がやって来る。 思い出の場所で昔話でもしようと誘う彼の本当の目的とは……？

依頼された仕事でやってきた洞窟。 そこで俺はとあるトラップを発動させてしまう。 同行していた二人は無事だったが、どうも一緒に閉じ込められてしまったらしい。 トラップ解除の条件は…

　師匠は記録が好きだった。 　東の大賢者様は口伝に重きを置いていて、書物を残すのは決まって弟子であったが、俺の師匠である西の大賢者様は自分で書物を残す人だった。その理由は――

彼が国の呼び出しに応じたくなかった本当の理由とは――

『俺の鼓動が残り百八十回を切ったら、自動的に魔法式が発動する。きっと、それが俺の最後の魔法だ。お前への贈り物になろう』 予告されていたように、魔法式が目の前で組み上がり、一つ一…

俺は檻の隙間から見える赤い空を見上げながら、早く自分の命が尽きるのを願っていた。

パキッと小枝が折れるような音がしたのに気がついた。 七代目になった杖が割れた音。 俺の杖は四年目を迎えるとすぐに折れてしまうので、代替わりの時期がきてしまったのだ。 俺は新しい…

ペンが走り出す。数百年以上昔からかけられていた継承者を示す魔法。俺はそれを見て《そのとき》が近いことを察した。 雑記帳のページをめくり、そこに書かれた自分の名前を指先でなぞる。つ…

いつもと変わらぬ日常を送るアウルたちのもとに、一羽の鳥と少年がやってくる。 見知らぬ格好の少年は、アウルに「西の大賢者様からだ」と告げて本を差し出し―― -------- 西…

四年に一度の祭りが訪れようとしている。

四年に一度催されるこの国最大のお祭り《鎮魂祭》。 俺はどういうわけか面倒くさい仕事を押しつけられ、 たくさんの民衆の前に立っている。 さて、この場をどう切り抜けたものだろう―― …

国を覆う結界が破られたとの報を受けて旅立ったはずの王立騎士軍が慌てて撤退した。 国の要請を受けて現場に向かった大賢者アウルが見たものは――

国土を守る結界が破られ、その調査に行ったことで知ってしまった出生の秘密。 私たちは未来を選ぶ立場にある―― KAC連作短編。 西の大賢者シリーズ第２期第４弾。

この世界はいつかは終わりを迎える。 だからこそ。 西の大賢者シリーズ第２期第５弾。

世界が変容し、気軽に家から出られなくなってしまった。 調査を続けてきたアウルは、仲間の言葉からある結論を導き出す――

奇病が蔓延したために屋内に閉じ込められることになった世界。 この状況を打破するために外に出る決意をしたアウルたちの前には砂の触手が行く手を阻むのだった。

世界の変容の原因に、直観的にたどり着いた賢者アウル。 原因と対峙するアウルは決断を下す。

自分が作った身代わり人形が人間を苦しめていると知り、その対処を求められたリリィ。 認められないばかりに世界はさらに歪んでいく。