倫理観について

創作だからって何言ってもいいわけではないのだと思いました。

「性描写」レイティングに抵触しないため、よほど削ったつもりでいた
のですが、絶対に誰の気分も害さないと言いきることはできません。
「性描写」にチェックが入っていれば、こんなもの読まなかったのに、
と思う方もいらっしゃるのであれば、本当に申し訳ないことです。
「性描写あり」と明記せず、性描写のある作品を読ませることがハラス
メントに当たるという内容のカクヨム作品も読みました。それほど強烈な
性描写があるわけでなくても、読むひとに対して配慮をされていると
思われる作品もあり、とても繊細な部分で作家さんたちが気をつかわれて
いるのだとわかるにつれ、自分のものに関してもとても悩んでいました。

私が「草の香る~」を1年以上も書き続けているのは、特定の種類の人間
が、納得して特定の場所に所属しているという理由で何も悩んでいないと
言えるのか、ということを書きたかったからです。この物語の主人公の
ような立場の人間のそういう感情を書くのは、ある種のタブーでしょう。
それに抵触してまで、でもその種類の人間が、普通の人間と同じように
悩み、苦しみ、泣き、疑い、裏切られ、絶望し、諦め、それでもなお顔を
上げ、願い、誰かを愛し、祈り、祈られ、そして死んでいく、その過程を
つまびらかにしたかったからです。決して誰かを不快にさせるためでも、
性描写のある作品を押しつけるためでもありませんでした。そこを中心に
物語を構成しているつもりもありませんでした。ですがそれは私個人の
常軌を逸した利己的な倫理観による「横暴」だったかも知れません。

ご迷惑をおかけした皆さまには、お詫びのしようもありません。これ以上
不快な思いをされる方が出ないように、遅すぎますがレイティングに
チェックを入れました。

本当に、申し訳ありませんでした。心よりお詫び申し上げます。

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