ここでは、『発表から2ケ月の間、大して注目を集めなかった作品がどうして読まれるようになったのか』の答えを探っていきたいと思います。
(注:記事中でプロの作家様とその作品の刊行に触れますが、これは本テーマを語る上で欠かせない話題だからです。決して当該作品に関して営業、宣伝、または勧誘するような意図のない旨ご理解ください)
先の公開ノートで説明したとおり、「サイバーファンタジア」は第33回後期ファンタジア大賞へ応募した作品を改稿の上で投稿したものでした。結果はまあ、『思っていたのと違った……』というところです。投稿者の誰もが通る道ですね、きっと。
それから自主企画に参加してみたりしましたが、閲覧数は伸びない。『ひょっとして、エピソードが長すぎて読まれない?』などと考え、章立てを変更して他の投稿サイトに投稿したり――この頃は公開した後も編集できることに気付いていませんでした――しましたが、やっぱり伸びない。1ケ月もすると、これが自分の実力なんだと受け入れ、次の作品に取り掛かれるようになりました。
ところが。
11月の下旬辺りから突発的に閲覧数が増えたんですよね。本当に突然。もちろん嬉しいのですが、それでも何か釈然としないものが残る。参加した自主企画の中に11月末日に終わるものがあったから、ひょっとして駆け込みで読まれたのかな? などと思いながら色々調べていると――見つけてしまいました。拙著「サイバーファンタジア」も参加した第33回ファンタジア大賞、その大賞を受賞した作品に関するお知らせを。
『2020.11.20 第33回ファンタジア大賞<大賞>受賞作!「魔王2099」特設サイト公開!』(ファンタジア文庫ニュースより)
『魔王2099 1.電子荒廃都市・新宿 2021.01.20降臨』(ファンタジア文庫特別サイトより)
御覧の通り、件の受賞作の刊行を知らせる特別サイトの公開と、拙著「サイバーファンタジア」のPV数が急増した時期が重なってるんですね。さらにはタイトルに『魔王』、『電子荒廃都市』とあるように、サイバーパンクとファンタジー双方の要素を前面に押し出す姿勢も一緒。見つけた時は(これかあぁっ!)と内心で叫びました。
他の投稿サイトでも、公開直後とここ1週間の間に閲覧が集中している印象があったので、おそらく間違いないでしょう。私の作品は歴史ある小説賞、それも大賞を受賞した作品と重なる要素があったために注目を集めたのです。
ということで結論。
「サイバーファンタジア」のPV数が急に伸びたのは、期待の新作と共通点があったから。
……なんとも平凡な答えになりました。タイトルに惹かれてこのノートに目を通してくれた方、申し訳ありません。今回の件で考えたことはいろいろとあるのですが、長くなるのでそれはまた別の機会に。代わりに学べた教訓を一つ。
世界観にこだわった作品を読んで欲しいなら、王道を意識せよ。
紫大悟先生、刊行おめでとうございます。