鐘古こよみさんの作品、口笛でいきます、を読みました。
これまで、銀竜草異聞、ぐちゃぐちゃ悪魔と文字使い、ヴォドニークの小箱、エメラルド・アイ、という作品を読みまして、主にファンタジー寄りのお話を書いておられるイメージがあったので、こちらの作品はそれらとはがらっと変わっていて驚きました。
3話でまとまっていて、お話はどんどん進んで行き、不穏さが増していく、それが語り部にも少しずつ迫ってくる。導入からすっと入り込めて、すらすら読めました。
読み終えた後になってから、とても続きが気になる書き方だったんだなぁと思いました。
ただ読むだけではなく、他の作者様の優れた部分を見つけたら、自分の作品に活かしたいものです。
話を戻します。私の脳内映像では、短編ドラマのようなイメージでした。実際に映像化したら一時間くらいでしょうか。怖くてもオチが気になって続きを見る感じです。
ラストも良かったです。おそらく終わりがないのでしょう。ぞっとしました。もし実際にドラマやアニメとして子供の頃に見ていたら、とんでもなく怖かったと思います。文章でも怖かったですから。
何なら今の私でさえ、自分の所には来ないよな、とちょっと思います。事実、この近況ノートの冒頭以降、ある言葉を使っていません。なんだか怖いんですよね。髪を洗っている時に後ろが気になる感じです。
そんなことは有り得ない。でも、もしかしたらいるかも、そう思わせるのがホラーの凄いところですね。身近なものだからこそ怖い、というのもあるでしょう。
最後までその目的や人物像を見せないのも、怖さを増すのに貢献しているのだろうなと思いました。