『夜行奇談』の書籍版を読みました。
カクヨム連載版も読んではいたんですけど、書籍版で読んでももう1回面白かったですね。
電子版で買ったので、どういう紙が使われているのかはちょっとわからないんですけど、装丁がお洒落なので紙で買っても良かったかなぁと思いました。
現代怪談実話(実話ベースらしいです)の怪奇現象を妖怪で解釈していくという作品なんですけど、解説文があるわけじゃなくて、怪談のあとに妖怪画がただ載ってるんですよね。
これがまた語り過ぎないカッコ良さみたいなものがありますね。
正体はこの妖怪ですよ、というところまで提示はしてありますが、おこった怪奇現象をどういう意図で起こしているとか、現代においてはどういう形で現れてるのかっていうのは気になる人が各自で調べてねってことですね。
書籍版は前書き、あとがき、書き下ろし怪談3本が入っているんですが、私は書き下ろしの中では50話のベビーカーの話が好きでした。
東先生によるとカクヨム版の50話が不人気だった回ということで書籍化にあたって、新規書き下ろしに差し替えたそうです。
実はこのお話の怪異の正体となる妖怪が、私の地元(の他にも伝承が残る地域が幾つかあるんですが)の妖怪で、拙作『夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない』にもモデルにしたエピソードがあるんですよね。こっちはモデルにしただけで架空の話なんですが、愛着(?)のようなものがあります。
毒吐くとか人を食べるとかロクなことしない悪い妖怪ですけどね。
おすすめです。
カクヨム発のライトノベルは流石に量が量なので全部買って読むというのはなかなか厳しいので、よくコメントをくださったり、拙作を買ってくださった方の作品を重点的にということにはなるんですが、文芸書はなるべく買ってちょっとした記事とかTwitter(改めX)でご紹介とかはしていきたいですね。
全体的に売れないとまだ見ぬ未来の書籍化作品の順番が回ってこないとか、私の次の作品が何かの間違いで世に出る機会がなくなるかもしれない(特にこれはよくないですな!)ですからね。
ちなみにカクヨム発ラノベだと最近は腹ペコ要塞が面白かったです。