• 異世界ファンタジー

第11話 この世界の食物(捕:癘素(れいそ))

 本来「椒(はじかみ)」はそれだけで山椒を意味します。花椒のように完熟した赤い実しか利用しないと設定して「赤椒」の名を当てました。またいずれ登場しますが胡椒は「黒椒」です。「胡」は中国から見た西方の意味で異世界モノでは使い難いですので、乾燥させた成熟実の色から「黒い椒」としました。

 わたくしの世界は地球と地形は異なりますが、新世界に相当する場所には人類が居住していません。そのためトマトやジャガイモやインゲンマメ等が入手不可。また地球の作物の原種に近いものしかない、本来の旬の時期にしか手に入らない、という縛りで描写していきます。その代わり、東西の作物は混生しています。

 架空の食物や味に苦労するよりも、地球と同じようでも種類が限られ、料理の味付けが一般的な日本人にはやや馴染みがないという設定の方が、転生して適度に苦労するという描写がし易いと判断しました。というより、わたくしが楽ですので。尚「甘苦茶」「魔木」は架空の植物です。

 癘素(れいそ)はオリジナルです。癘は「えやみ」。癘気という言葉はありまして、疫病を起こす悪い気のことで、瘴気と同じような意味です。悪い魔素という意味で「癘素」と名付けました。橘花くんの推測通り、この世界は病原体が未発見ですので、地球の近世と同じように病の感染は瘴気説の段階です。

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