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カテゴリエラー問題について(あるいは「ぼくのかんがえたさいきょうのライト文芸」)

 ここ数日、カクヨムコン10のカテゴリについて、様々な方から問題提起がなされているようです。具体的には「ライト文芸部門へのエントリー作品にカテゴリエラーと思われるものが散見される」「ランキング上位作品にはそのようなものが多く、対応が求められる」「故意のカテゴリエラーと思われるものもある」という趣旨のご意見を(筆者が直接言われたものではありませんが)複数拝見いたしました。

 正直なところ、立場的に心穏やかではいられませんし、ひょっとすると読者の方にも要らぬご心配をおかけしているかも、と考えると申し訳ない気分にもなります。

 そのようなわけですので、ひとまずは筆者の見解をここで表明しておこうと思います。


【大前提:応募規定の読み方】
 書いてあることをそのまま字義どおりに読みました。


【前提:応募規定】
 カクヨムコン10におけるライト文芸部門の応募要項は次のとおりです。

「大人読者が楽しめる、お仕事/あやかし/アジアンファンタジー(中華風・和風・オリエンタル風など)/西洋ファンタジー/オカルト/ミステリー/グルメなどがテーマの、一般文芸に近しい文章・描写のある作品を募集します。」


【拙作の特徴】
 筆者は連載開始時にTwitter(現X)に次のような文言で自作の特徴を紹介しております。

「デッキタイプはハピエン型異世界社畜コントロール、レギュレーションはファンタジー/現地主人公/転生・前世知識なし/チート・超常能力なし/ハーレムなし/魔法あり、です。」

 上記のとおり、異世界モノではありますが、転生や転移ではなく現地主人公、チートその他の特殊能力もなし、というわりと地味な設定です。
 ステータス画面? スキル? いや、存じませんが。
 まあよく言えば地に足のついた、悪く言えば泥臭い、ということになるでしょうか。


【対象とする読者】
 対象としては「本を読み慣れた高校生以上」を想定しています。筆者は子供のころからわりとお堅めの本を読むのを好んでいたいけすかないガキだったのですが、そんな高校生時代の筆者に与えたら喜びそうな本、というイメージです。
 扱っているテーマとしても基本的にはお仕事モノなので、社会人の皆様にも読んで共感いただければ、と思って書いております。

 文体や描写についても同様です。文章を殊更に難解にする気はありませんが、筆者の傾向としてやや硬めの文章になることが多いので、結果的に上記のような想定読者向けになっている、という自己評価をしています。


【当てはめ】
 拙作の特徴や想定読者を応募規定に当てはめると、

「大人読者が楽しめる、お仕事/西洋ファンタジーがテーマの、一般文芸に近しい文章・描写のある作品」

 ということになります。
 実際に読まれた方や運営様が「いや違うだろ」というご見解であれば、それはそうなのだろうと思いますが、少なくとも筆者としてはカテゴリの応募規定には合致する(そして「ライト文芸部門」以上に拙作の特徴や内容によく合致するカテゴリがない)と考えているものです。


【カテゴリエラー問題について】
 筆者の見解は上記のとおりですが、実際に読まれたうえで「カテゴリエラーじゃないのか」というご意見はあろうかと思います。少なくとも筆者は拙作を「ライト文芸(=ラノベと一般文芸の中間に位置するもの)」と考えて当該カテゴリを選択したものですが、実際にこれに該当するか否かは最終的には運営様のご判断に委ねるほかありません。

 明確に申し上げておきたいのは、たとえ運営様に「カテゴリ相違により審査対象外」とジャッジされたとしても、それは筆者の自己評価や判断の誤りによるものであり、けっして悪意やpv・評価等を不当に得る目的で行ったものではないことはご承知おきいただきたい、ということです。

 また、そのような場合には、改めて近況ノート等で読者の皆様にお詫びをさせていただきたいと思います。



 あまり愉快でない長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。今後とも、引き続き拙作「兵站将校は休みたい!」をよろしくお願いいたします。

7件のコメント

  • コメント失礼致します。

    一切お気になさらず……。まるで問題ないと思います。

    ライト文芸、それなりに書ける人であれば何を出しても良い場所としか解釈のしようがないと思っています( ;∀;)

  • ぺけったーでもコメントしましたが、特にライト文芸の設定は他と比べてもとてつもなく曖昧だから、極論『なんでもあり』だと思います。
    ある程度『文章』の体を成してれば無問題。
    気になさらなくていいかと。
  • > 福山様
     ありがとうございます。
     まあ気にすべきではないのだろうなとは思いつつ、そこまで神経が太くもないので気になっちゃうんですよねえ。


    > 和泉様
     ありがとうございます。
     なんといいますか、今回の仕様と合わせて、僕は明らかに「利益を得ている側」なので、どうしても気になってはしまうわけですよ。

     あと、読者様が気にされてたら申し訳ないなあというのもありまして、とりあえず書くだけは書いておこうかと。
  • お世話になっております。
    Xでのご指摘を受けて、私は少し考え方を変えました。
    色々言われてもどの道もう結果は変わらないので、話題になって宣伝になっている良い事だと思うようになりました。
    逆にこれを活かして作品をPRするように私は頑張っていこうと思います。
    しろうるり様の作品は総合のランキングでも上位ですし、内容もかなり面白いと私は思います。
    仮に運営様に「カテゴリ相違により審査対象外」となったとしてもだから一連の騒動がプラスに働いて特別賞、書籍化といった話は絶対に出て来るのではないかと推測しています。
    すいません、まとまりのないことを長々と失礼しました。
  • > 松本様
     コメントありがとうございます。

     僕はそこまで吹っ切れておりませんが、前向きにやっていけるのであればそれが一番よいと思います。

     個人的に一番怖いなと思っているのは、審査対象外とされることそれ自体よりも「他人が占めるべきよい席を、結果として不当に奪ってしまうこと」なのですよね。

     言うまでもなく「ランキング1位」という席はひとつしかありませんし、そこに座ることによる効果の大きさは今まさに思い知っているところです。事後的に、たとえそれが故意ではないとしても、「あなたのそのポジションは不当なものでした」と言われることになる可能性があるわけですよね。

     その状態で特別賞や書籍化のお話をいただけたとして、じゃあそれを素直に喜べますかと言われるとどうだろう、と思いますし、本来その席に座れたはずの作品や作者様のことを考えると、多分ものすごくいたたまれない気分になるんだろうな、と想像できます。

     前提として僕は自分のカテゴリ選択が誤っているものとは考えていませんが、後々自分の判断と異なる結果が出るというのは、僕にとってはそういうことです。
     悩ましくはありますが、僕は当面自分のカテゴリ選択を信じます。

     ただ、もし仮にカテゴリ選択が誤っているのであれば、運営様には(異例のことでしょうが)早めにご対応いただきたいとも思っています。2月まで引っ張ってからでは取り返しのつけようがないですし、それは僕の本意ではありません。

     僕はあくまでもフェアな競争をしたいと考えていますし、自分がフェアな競争を阻害しているのであれば、早めにフェアな競争の環境を取り戻していただきたい、と思っています。
  • おっさん読者である私が楽しめてるのでカテゴリーについては気にされなくても良いかと。

    ライト文芸という単語のみ見て、昨今の流行り?の登場人物目線の状況語りな軽め(私見)な文章とは趣が異なるので、拒否反応起こしてる?ように見えました。

    しろうるりさんの文章・描写は好きなのでこのまま3章4章と続くと嬉しいです。
  • > reds5winさま
     コメントありがとうございます。
     拙作をお楽しみいただけているのであれば幸いです。

     僕は、ライト文芸がなにを指すかについて、たぶん人ごとに見解が違うのだろうな、と思っています。僕は本文中に記したとおり「大人向けラノベ」とか「(いわゆる)ラノベよりも一般文芸寄り、描写や文体がラノベと一般文芸の中間にあるもの」という理解でおりまして、そのあたりが見ている方と違うのかな、と考えていました。

     また、去年までの募集要項と今年のそれが異なりますので、去年までのイメージでカテゴリが違うのでは、と仰っている方もいるかもしれません。

     ともあれ、文章や描写が好みと言っていただけるのはとても光栄です。頑張って続けていこうと思いますので、どうかこの先もお付き合いください!
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