※注意 以降の文章は個人的感想であり、特定の人物を誹謗中傷するものではありません。ネタバレを含むかもしれません。嫌な人は急いでブラウザバックしてください。
映画自体の評価は以下の通りです。1~5の五段階評価
見るまでの期待度 5
キャスト 5
面白さ 2
展開 3
見終わった後の後悔度 5
この作品は原作がミステリーランキング4冠獲得という大きな波を持っていました。が故に私の期待値も高く設定されていました。またキャストも豪華で、主人公が神木隆之介であった事も期待値が上がってしまった要因だった。
正直に言おう。過去1.2を争う最悪な作品だった。まず話として無茶な所が多くあった。
一つは冒頭のゾンビ化ウイルスによる混乱の原因たるウイルス注射が何者によってなされたのかが最後まで描かれない点だ。それにより鑑賞者は頭の片隅に疑問符を残したまま、鑑賞を終えることになる。二作目の制作の為かもしれないがあまりにも酷すぎる。
次はホラーテイストでいくのか、ミステリーテイストでいくのかが一貫していなかった点だ。作者は両者の融合を図ったのかもしれないがバランスが悪い。ミステリーな場面にホラー演出があったり、ホラー場面の中にもミステリーの要素が隠されていたりするならまだしもホラーとミステリーがブツブツと切り離されていて、二つの映画を一度に見ているような疲れが襲ってくる。
またそのホラー展開、演出、場面というのがテンプレもテンプレ。見ていて「まあ、そうなっちゃうよね」と思ってしまう。怖さが半減してしまった。ゾンビの頭を破壊すれば、殺すことが出来るなんて子供でも思いつく。それを応用するでもなくテンプレで使った。
ミステリーの要素というのも古典的で、ミステリー小説を読んでいて、その知識がある人が見ると「あー、それね」となってしまう。また、ミステリーにゾンビという空想上の存在を入れたことでまたごちゃごちゃしてしまった。復讐相手に「ゾンビに殺される」という死と「人間に殺される」という二つの死を与えて、自殺した姉の死と姉のお腹の中に身ごもってしまった子供の死の両方を償わせるという犯人の動きが計画性が無く犯人像としては薄い。
最後に主人公の執拗な回想や言動によって、鑑賞者に相方は死んでいないと思わせておきながら、最後の最後、「やっぱりゾンビになって死んでいました」という展開になり、ヒロインに倒されるという謎展開。ヒロインの殺す時の決め台詞が「あげないよ、彼は私のワトソンだ」というありきたりな発言で幕が下りる。こんなことなら、主人公は相方の死を受け入れ、相方はゾンビ集団の中にひっそりと存在していた方が見ていて、楽だった。
そんな感想を持ったが故に見終わった後、疲れたし、後悔した。
今回の事で学んだのはコンテストで好成績を取っていたとしても、それが映画化された時、必ずしも面白いとは限らないという事だ。コンテストの審査員も人間だ。万人受けする作品を選んでいるつもりでも主観が入ってしまう。
小説家たちよ。あなた方がもし映像化を目指しているなら、映像化しても味の落ちない作品を書いて欲しい。常に頭の中で登場人物たちを動かして文章を書いていってほしい。そして自分もそうなれるように頑張りたい。しかし、その作品がコンテストで好印象かは保証しかねますが……。