どうも凛です。
まぁ、お分かりの方はお分かりの通り…『チョコレイト・リリィの誘惑』が本日完結しました。
ぶっちゃけなろう様の方ではもう終わったお話なので、本当は1日1話更新しようと思ったんですが、途中でめんどくさくなって残り7話くらいあったのを一気に2日で終わらせました←
というわけで、ちょっと長くなりますがご挨拶のようなものを。
ここからは一部、なろう様版で投稿した『あとがき』と内容が重複しています。
なろう様での連載開始が、昨年の9月。
そこから実に1年…4ヶ月ですか。もともと結構長いこと連載してたんですが、構想自体はそこからさらに2年ほど前までさかのぼります。
なんやかんやありましたが、とにかく完結できてよかったです。
実は、このお話は第三稿なんです。
初稿は『花冠は常闇に香る』という題名で、香澄と亮太が幼馴染だったり、弁護士の八神がもともと復讐される側で秘書兼恋人みたいなのがいたり、忍海は亮太の同僚でギャグ要員だったり、帆波がただのサイコパスだったり、佳月は死んでなくてむしろめっちゃ元気かつブラコンだったりという、現在とは異なる設定が多々ありました。
第二稿は確か『荒野に咲くプルメリア』みたいな題名だったと思います。書きかけの草案を見ると、現在と重なる部分が結構多くて、亮太と香澄の出会いのシーンなんかは割とそのままです。
とにかく花を絡めたかったみたいですね。
花冠は何でかよく分かりませんが、プルメリアは可愛い見た目のわりに毒を持っているらしいのでおそらく採用したのではないかと……結局没になりましたけど。
この第三稿でもいくつか花言葉が入っていたり、香澄を始めとした登場人物が花に例えられる場面があったりします。
ちなみにエピローグのひとつ前、実質的な最終話である『純潔を喪い、死を望む』。これは折れた白バラの花言葉なんだそうです。
せっかくなので、野暮とは思いますが補足をしておきます。
まず、静流視点で語られた過去について。
あれは、睡眠薬かなんかで気を失った亮太が見た夢です。亮太自身はほとんど覚えていませんが、自分が静流であった(という体の夢を見ていた)記憶は無意識に残っていたらしく、その後は静流が生前呼んでいたように香澄のことを「香澄」と呼びます。
次に、静流と亮太の関係について。
モノローグで語られている通り、亮太の兄――宮代家の長男は、もともと双子でした。その片割れが、静流。
つまり静流と亮太は、歳は離れていますが、血の繋がった兄弟です。だからそっくりなんです。
香澄と、忍海は知っています。亮太は知りません。多分、兄も自分が双子であった事実を知りません。
そして、帆波について。
察してる方もいると思いますが、『失望』章で起きた火事の後、帆波はどういうわけだか生き残りました。多分母親に抱きすくめられていたので、ほとんど煙を吸うことがなかったのでしょう。
それで消防隊員に見つかる前にどうにか逃げて、八神に拾われました。
『報復』章の仁科、『嫉妬』章の美織など、復讐に加担した人物は『人を呪わば穴二つ』的なノリでみんなことごとく死にましたが、帆波だけは生き残っています。
けれど帆波は自分がかつてクラスメイトの市村緋夏に対してそうしていたように、本来の名前を奪われ、八神からペットの兎として扱われることになりました。
ある意味、これも罰です。
瑠璃とその母親・範子など、火種を残しまくったまま終わっているのはもちろん仕様です。
これから選択を間違えるようであれば、亮太も近い未来、同じ目に遭って死ぬでしょう。
他にも出てないだけで、『悪意』はたくさん潜んでいます。ハッピーエンドでは、ありません。
黒百合は、最後まで幸せであったのか。
私の文才程度で、彼女の散り際を美しくできたかどうかはわかりません。
が、いくら壮絶でどうしようもない人生だったとしても、彼女という人間を最後まで描ききることができたこと、非常に満足しています。
ここまでのお付き合い、まことにありがとうございました。