『ソラのカタワレ』ルー編の第五部が始まりました。
ルー編の最終部となります。
なんとか出世したい、から、なんとか生き抜きたいにまで落ち、そして足掻き続けて勝ち取った勝利。
富も名誉も得た中で、第四部では、まだ足りていないものに気づきます。それが家族です。
最後のピースが埋まったかに見えた刹那、全てが崩れ去ります。
そして振り返り、覚悟を決めるのです。
これまでのすべて、仮初の幸福と訣別することを。
◇◇◇
「ここは莫迦ばっかりだ」
周りに軽蔑の視線を投げかけながら、必死に出世を望んできた十八歳の少女は、ヴェーラ貴族の妻に収まることを見て、男を乗り換え続けてきました。
しかし、突発的な事故から辺境の地へ飛ばされ、奴隷労働を強いられ、過酷な戦闘にも巻き込まれてきました。
その中を、ルーは公爵令嬢ラルディリースとともに駆け抜け、傷つきながらも自らの手で勝利を掴んできたのです。
いまや、自らが軍の大佐。魔族世界の公爵位。そして、『虹の翼』と二つ名される有能な戦闘指揮官。
しかし、ルーは気づいてしまいます。上流の中の上流の世界、軍の上層の世界、戦闘の前線においてさえも、決して満足は得られないのだと。
所詮、出世競争はそのものが「莫迦げている」のだと。
そんな中で得られた新しい妹・エトルのおかげで、ルーは大事なことを思い出し、また彼女を失うことでさらに大事なことを思い知らされます。
ルーの歩んできた焼けた荒野は、振り返れば死で埋め尽くされているのだということを。
そして、彼女は決意します。これまで彼女を生かし続けてきたのが「どこかの誰かの死」であるのなら、それを救う義務が自分にはあるのだと。
◇◇◇
予告どおり、リサ編(L)とルー編(R)の各5部構成です。更新順は:
L1→R1→R2→L2→R3→L3→L4→R4→R5→L5
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ルー編の物語は、第五部が最終部となります。そのあとでリサ編の第五部へと戻ります。
ご期待ください!
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