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俳句を始める前に知っておくこと①

 俳句の投句を1年間続けて、感じたこと近況ノートに書きためてみます。

 手っ取り早く知っておくことは、「季語」や「五七五」・「十七音」ではなく、俳句の仕組みや仕掛けを知っておくことが大切で、それは「発想」と「ロジカル」の2つの組み合わせだということ。


 まず最初は、発想の話。カクヨム作家さんの中には、テンプレ嫌いの方は多いはず。俳句も同じで「テンプレ」=「類想」となり、即ち才能無しに分類されてしまう。それでは俳句の「テンプレ」って何?

■「因果関係がない」=「非テンプレ」

 例えば誰もが知っている、「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」の句。

 上五の「柿食へば」と、中七下五の「鐘が鳴るなり法隆寺」に因果関係は無い。柿を食べたからといって、法隆寺の鐘は鳴らない。でも、柿を食べて鐘が鳴っている様子は想像出来る。因果関係はないが、「柿食へば」と「鐘が鳴るなり法隆寺」は共存出来る関係にある。
 これが「柿」=「美味しい・甘い」ではテンプレで、「柿」=「宇宙」では発想自体が意味不明。近すぎず、遠すぎずの関係が大切なポイント。

【初心者のあるある発想】
風(が吹いた)⇒花が散った⇒寂しい
花(が咲いた)⇒綺麗だ⇒笑う

 これはそのワードだけで「才能無し」となってしまう例。笑う・嬉しい等の感情表現は、避けるた方が良い(成功しない確率が高い)ワードになる。



 次に「ロジカル」の話。俳句はファンタジー小説と違い、文芸であり芸術的な要素が求められる。一番重要なのはテンプレではない発想だが、芸術的要素として韻律は大きな加点要素となってくる。

■韻律
 代表的なものが上五・中七・下五で、頭韻や脚韻を踏む。十七音の中で表現する場合、韻の部分が強調し浮き上がる。

「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」では、上五の先頭の「柿(kaki)」と、中七の先頭の「鐘(kane)」での頭韻。※脚韻は逆に終わりで韻を踏むこと。

 頭韻や脚韻だけでなく、韻律は上五・中七・下五の接続にも当てはまってくる。同じ母音・子音を続けることで、句の繋がりがスムーズになり、響きが良くなる。

 これも代表的な例は「古池や蛙飛び込む水の音」の句。

 上五の「や(ya)」と中七の「か(ka)」の「yaka」の接続、中七の「む(mu)」と下五の「み(mi)」の「mumi」の接続と、同じ母音や子音で接続すると自然な繋がりになる。

 そして韻律のロジカル要素。俳句で多く使われる「○○や」の詠嘆。「や(ya)」で終われば、「○a」や「y○」で接続する。また終止形や連体形の後に言葉が続くならば母音は「u」が多くなり、それだけでも言葉選びや語順が変わってくるはず!

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