いつも鳥籠と籠守を見守っていただき、誠にありがとうございます。
今回は星100到達記念で短編をお出ししたいなと。
ここまで来られたのは見守ってくださる皆様のおかげです。
籠守は十組の群像形式でお送りしている都合上、色々な組み合わせが書きやすいなと思っています。
同時に似たり寄ったりになってしまったり、書きやすい子に逃げがちなのは自分の力量不足故と感じています。
(浅葱と新橋と東雲の愉快な籠守三人と瑠璃様が書きやすい側にいるのは…バグだと思うんですけどね)
八章到達までには、改善したいところです。
これからも、本作をよろしくしていただけたら幸いです。
◇◇
これは浅葱と撫子が籠守に来る直前のこと…。
僕らは部屋への帰り道を歩きながら、先程までの光景を思い出す。
今年こそは、白藤だと思ったのにな。
「白藤」
「え、ああ…何かしら、鳩羽様」
部屋の外だから、口調はよそ行き用。
本当はいつも通り敬語を外して欲しいけれど、この場では仕方が無い。
「惜しかったねぇ。優良職員賞」
「なんですか、それ…」
「白藤、さっきまで式典に参加してた自覚ある?」
「…?」
「…そこで、各部門の職員の中で、最も活躍した職員が表彰されていたこととか…?」
「ごめんなさい。私には無縁なものだから…全然」
「今年は例年通り月白かと思いきや、まさかの新橋だったからねぇ。まあ、壊れた設備の代用品を作れば、そりゃあ評価されるか〜って感じだけど。僕は白藤も負けていなかったと思うよ?今年も年中無休元気に籠守業務を頑張ってくれたし」
「そんなことはあたりまえです…周囲に比べたら、私なんて全然ですよ」
「あまり自分を否定しない方がいい。君は立派な子なんだから」
「…そういうのは、鳩羽様だけですよ」
横から肩を抱いて、頭を撫でる。
ふわふわの薄紫色の髪を頬に当てて、愛でるように。
「…頭を撫でないでください。髪型が崩れてしまいます」
「それぐらい僕が整えるよ」
「お手を煩わせるわけには」
「僕がしたいからしてるの」
「…もう」
「あのね、白藤」
「どうしましたか、鳩羽様」
「僕は君の頑張りを知っているから、いつだって君に頑張ったねって言いたいし、君の頑張りを褒めてあげたい」
「…」
「君がそういうのが苦手だと知っているから、表現を少し変えたら…受け取って貰えるかなとか」
「表現?」
「今日も白藤は百点満点花丸プレゼント〜…なんてね」
「子供じゃないんだから…もしかして、子供扱いされています?」
「僕より年下だから、甘やかしがいはあるけれど」
子供だとは、決して思っていない。
無邪気で無垢な子供相手に抱くような感情を、僕は白藤へ持ち合わせていないのだから。
「…お酒を飲める子供は、いないでしょう?」
「それはそう」
だけどまだ、はぐらかす。
僕の失言で、今の関係を壊したくはないから。
「せっかくだ。年度末で明日は籠守にも実家帰省ができる程度の休日が与えられる。君は今年も帰る気はないんだろう?じゃあ、久々に呑みに行こう。美味しいお酒のお店を見つけたんだ〜」
「お酒ねぇ…鳩羽様、すぐに潰れるから…あまり一緒に呑んでも楽しくないんですよね」
「君がザル過ぎるんだよ白藤ぃ!?」
「だから、いつものご飯が美味しいお店にしておいていただけると…」
「勿論だよ白藤!やっぱり新規開拓よりいつものがいいね!君のお願いは珍しいから!僕叶えちゃう!いつものお店にしよう!」
「わ、私なんかの意見より、貴方の行きたいところを優先して頂きたいのですが…」
「君が行きたいところが僕の行きたいところになるんだよ白藤ぃ!早速行こう!今すぐ行こう!出かけよう!」
「まだ昼間ですよ。お店が開くのは夕方からなんですから…もう少し部屋でゆっくりしましょうね…」
白藤はそんな僕に呆れながらも、一緒に呑みには行ってくれるらしい。
勿論僕は早い段階で潰れて、もっと飲みたげな白藤は渋々僕を抱きかかえ鳥籠に帰る羽目になるのは…言うまでもない話。
きょうもぼくのおせわはひゃくおくまんてんのしあがりだね、しらふじぃ!