下弦の月が綺麗な朝でした。
と言っても昨日のことです。
仕事場の駐車場から見た空が穏やかで切なくて、一日中このまんまの世界で過ごしたいと思いました。
”纏ったコートは時に重いけど
下弦の先でそっと掬ってくれたら”
自作「STAR ROAD」のフレーズを口ずさみながら(勝手に曲もつけている)、仕事場へと向かいました。
私は研修期間を過ぎましたが、仕事にまだ不慣れです。重いものが特に苦手で、ドン臭いままです。
独り作業はまだいいのですが、ペアを組む時は、自分の作業率が半減していると自覚してます。
人と一緒というのは気を使います。ですが、限られた時間で終わらせるためにも、相手と声を掛けあって、確認しながら処理していかなくてはいけません。
そうしないと仕事になりませんし、当然何処の業界でも同じことです。
ドン臭いうえに対人苦手では通用しないぞ、などと言い聞かせつつも、自分の本質に戸惑っているのも正直なところです。
パート時間があと30分で終わる時でした。
チーフのひとり、若手女性のWさんから、これからPC会議の為、売り場を離れるということで、作業の指示を受けました。
退社までの時間に対して作業量は少し多いかな、と過りましたが、私は「気合い入れて、迅速にできるよう頑張ります」と鼻息を荒くすると、
「いいんですよ。作業が終わらなくても残して大丈夫です。それから、エイトさんは、変わらないでそのままでいてくださいね」と言われ、私は一瞬考えてしまいました。
加えて、
「一生懸命やってくれているのはわかっています。見ている人はちゃんと見てますから。それに、もっとやって欲しいこともあるんですから」とも言ってくれました。
その後、無事に仕事は時間内で終わらせて退社。
もう空は太陽が元気いっぱいの秋晴れで、月は見えませんでした。
それでもWさんの言葉は、私の心を掬ってくれました。
下弦の先のように。
「HELP!」
と簡単に言えない性質です。
そのせいで、無理している、意固地だ、と言われることもあります。
そんな自分の底に張り付いているものを、時には厄介だと思います。
そして作品の女主人公も、そんな人物が多かったと思います。
これからどんなものを書いていけるかわかりません。
特に今は時間捻出が上手くできず、自分の存在、生きていることの意味がわからなくなります。
それでも、人間模様に揉まれていくのは続きます。
いくつになっても人生修行中で、これも生きていると言えるのだろうか、などと思ったしだいです。
オフの朝、家人はまだ寝てるのをいいことに自由時間より。