毎週毎週、休みのたびに一日中二人で過ごす。 ──いや過ごしすぎでは？と思い至った初花は挙手をした。 「ひとりの時間がほしい！」 久々にやってきた気を遣わない休日を、さて、どう堪能…

織部誠人はいつも迷っている。小さなことから大きなことまで、常に即断が出来ない。それは自分の選びたいものは何か自信がないからだった。 そんな彼がただひとつ、一瞬の迷いもなく感じた気…

オタク彼氏×関西弁彼女。 あざとくて、可愛くて、愛しい彼女はどこまで計算してるのか？ 策だとしてもはまりたい、推しと彼女を大好きな彼氏くんが幸せに浸る日常譚。 【KAC2021…

彼女が突然口遊んだ有名なメロディに、俺は思わず眉を寄せた。きつねとたぬきが逆だったからだ。 そしてその歌は、すっかり仕舞い込んでいた懐かしい記憶を呼び起こす。 ──兄貴、元気にし…

愛しているから、一緒にいたいから、付き合って長いから。 ──そんな理由、全部“今”しか見えていない！ 「ついに彼女とゴールイン」なんて言ったところで何も完結してないわけで。結婚…

彼はプロポーズをした。彼女はそれに応えた。 さあ、あとは何の問題もなく結婚式を──挙げられない？ 思いがけない戦いが今、ほのぼのと始まる。 「教会」「かたつむり」「雲に梯」の三…

──夜は、嫌いだ。 理紀と琴音が同棲を始めて半年ほどが経つ。それぞれ昼と夜に働く二人の生活は常にすれ違っていた。寂しさが募り、宥めてくれる言葉にすら不安を感じる琴音。その頬を優し…

華子さんはとにかく可愛い。笑った顔なんて最高だ。大好きな僕の彼女。 そんな華子さんをそっと見守り、的確に助け、誰よりも愛す。華子さんが笑ってくれるための努力は決して惜しまないのが…

結婚前提の同棲を控え、幸せいっぱい。 ──と、言えたらよかったのだが。 実家を出るのは初めて、住居はまだ決まらない、共働きで家事を回せるか心配、おまけに仕事にも大きな変化が。ぐ…

志摩宏太と南野葵。互いに想い合っていることにいち早く気づいていた共通の友人たちは、とにかくこの一年もどかしい気持ちであった。 さっさとくっついてイチャイチャして欲しい、でも初々し…