青猫あずき著『ソードワールド2.5リプレイ ALLグララン総進撃』読了。
なんというか、他のリプレイではプレイ前のすりあわせかプレイ中、あるいは執筆中に取り除いていそうな「プレイヤーの悪巧み」を純度100%で絞ってお出しした味。
その独特の癖がグラスランナーだけのパーティーというともすれば色物としか見えない冒険者パーティーというメインに良くマッチして、他のリプレイとは違った味わいを感じさせてくれる。
そのメインの「グラスランナーだけのパーティー」も、一発ネタのウケ狙いでは無く、プレイヤーの創意工夫……と「悪巧み」が効いていて、しっかりとこの作品を支える柱になっている。
個人的には二話のインタールード、北沢先生が「これ、正史になるんだからな!?わかってるよな!?」と著者を揺さぶって言っている様子が目に浮かんだのだが、おそらく気のせいだろう。
本体価格900円のお求めやすい文庫だが、転売屋の手にかかって12万円で取引されているらしい。e-hon
https://www.e-hon.ne.jp でも買えるので、そちらで買うことをおすすめする。
作中の転売屋・海エルフくんは100ガメルの薬物を200ガメルで売っていただけだったが、事実は小説より奇なり、あにはからんやリプレイをば、といったところだろうか。