ローレンス・ブロック著『泥棒はボガートを夢見る』(『THE BURGLAR WHO THOUGHT HE WAS BOGART』1998年 早川書房)読了。
泥棒探偵:バーニィ・ローデンバー、毎度毎度死体に出くわす巻き込まれ型の探偵だが、今回は珍しく忍び込んだ先で死体を見つけたり、死体と一緒にいるところを発見されたりしていない。
ファム・ファタルのために、あるいはパートナーのためにとハードボイルド名動機で動くバーニィだが、相方のペット美容師にボガート映画の見過ぎを心配される始末。
訳者あとがきで「例によって例の如くプロットは、ま、たいしたことはない」と言われてしまっているのだが、実際はこのシリーズのどの作品も優れたプロットを持っており、限られた登場人物の中で「意外な犯人」を見せてくれる。その上で訳者も褒めていたユーモアがちりばめられており、楽しく読める作品群だ。