テーマは『きのう、失恋した』です。
コンセプトは『恋と勘違いと振り切る青春』です。
世界観は、現代日本の学園物です。舞台は美田蔵高校(みたくらこうこう)。
<登場人物>
☆羽瀬隆二(はせ りゅうじ・男・16歳)……中学時代、友人を失ったことから、他人とうまく話せなくなった。バンド結成を目指す。景子が好き。
☆霧灯桐(むとう きり・男・16歳)……クラシック一家に育ち、楽器はなんでもこなす。羽瀬に誘われてバンドを組む。景子に好意を抱いている。
☆菱ヶ谷景子(ひしがや けいこ・女・17歳)……病気で一年遅れて入学した。クラスで浮いている。羽瀬に好意を持っている。ボーカルとしてバンドに誘われる。
<物語>
羽瀬隆二は口ベタ、人見知り、あがり症の三重苦でありながら、高校入学時から軽音楽を目指すが、美田蔵高校には部活がない。
そのため、バンドを結成しようと思い立つ。
クラスで一番近い席の女子が菱ヶ谷景子で、甘く鼻にかかったハスキーボイスだったので、羽瀬は気に入り、四苦八苦してボーカルになってほしいと口説く。
景子は羽瀬を、実直で誠実な人間だと信じて、了承する。
ところが、羽瀬が出した条件は「バンド内恋愛禁止」。
羽瀬にほのかな好意を持っていた景子は、絶望するが、約束は保留。
そこへ、景子に好意を持っている霧灯桐が、話を聞きつけて参加すると言い出す。
楽器ができるというので歓迎した羽瀬だったが、「バンド内恋愛禁止」の条件を出すと、霧灯はしりごみする。
羽瀬はアマチュアバンドのライブに二人を誘い、盛り上がる。
その後、紆余曲折あって、絆を深めることとなった三人だが、失恋覚悟で海辺で告白しあう。
どうやら三角関係らしいとわかるものの、三人は、恋より絆を重視して、バンドを結成する。
それが、昨日の話となる。
世にも珍しい失恋の話。
了