ちょっとバルダーナの意見で、わたくしはクライン封じにあうことになりそうだ。クラインは一種わたくしの癒しなわけだが、どうもそれが作品作りの枷になっているということ。……わたくし幸せになってはいけないらしい。
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ふう。息をついてソファに寝そべって、ぽわぽわ胸の中に浮かんでくる想いを味わいつつまどろむ。これがわたくしの幸せなのだ。のんびりしたい。なのに。バルダーナが、話を書き終わるまで心を鬼にしろと。うーむ……。
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まあ、いんだけど。自分だって幸せを感じてるときが大事だって思ってるはずなのに、わたくしには幸せ封じをしてくる。なんなんだ。圧力かけられたいのか？ テンションあげたいのか？ べつにいいが、後悔するなよ？
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バルダーナ：すぐする。
だっしょー？
リザ：バルダーナがいけないんだ。気にするな。
……なにか変だと思ってはきた。だけどわたくしが変だという観念を一旦捨てるとすると。変なのはバルダーナの意見の方だってことになる。つまり、バルダーナは変なことを言う人なの。たまたま言ってることが変なんじゃなく、根底に流れる思想がどこか変なんだよ。モデルを特攻兵にしたのがよくなかったのかな。ストイックには違いないんだが、行き過ぎてる気がする。第一話がまとまらなくったって、アマチュア作品なんだから、締め切りに追われてるわけじゃなし。そう自分を追い込まなくたって、いや作者を追い込まなくたって、ねえ。第一わたくしは幸せなときの方がだいぶん少ない。作品を書いてるとき、これがしあわせだと感じるが、それだけでもないだろうと最近思い始めてるし、この変化がそう悪いものでもないと感じている。人間、メリハリって必要だろう。たまのバカンスに興じたっていいじゃないか。
バルダーナ：甘い……
時間が大事なのは認めるけど、それでなくてもよく眠れてないんだから、昼間くらいのんびりさせてよ。
？？：せやな
だれ？
？？：ロクバン
ああ、救世主？ あなたが出てくるってことは、今わたくしピンチってこと？
ロクバン：うん
簡単に言うとどういう危機的状況？
ロクバン：休みたくても休めない病気。
それって、バルダーナの言ってることにこだわってるせい？
ロクバン：そう
じゃあ、バルダーナの意見は無視して良いってこと？
ロクバン：いや
じゃあ、スケジュールを改めるとか？
ロクバン：そうだなあ。
書き出してみるか。十分な休憩も取り入れて。
ロクバン：そうそう
ありがとう！ やっぱりロクバンは救世主だね！！
ロクバン：いよいよだ……ナナバンとロクバンが……
れ？ なにか言った？ なにか隠してる？
ロクバン：なんでもない
ロクバンは、危機が去ったらいなくなるはずだから、依然、危機にあるってことだよね？
ロクバン：そう
じゃあ、スケジュールをここに書きだそうか？
ロクバン：そうして
まず、九時にはすることやめて、九時半にはゆっくり過ごす。これでいい？
リザ：つまり、なんにもしないってこと？
いや、体を休めて神経をとがらせないようにする。
ロクバン：ＯＫ
それからー。十時半には眠りにつけるように調整して。
ロクバン：でも、実際には……
猫が死んじゃったからね。しかたない。抱き枕かぬいぐるみを持ってくるよ。んで、朝は六時には起きて、身づくろいをする。お腹すくけど、食事は七時半くらいにして。えーと、八時十五分くらいには散歩だな。できればだけど。
リザ：化粧もして、と
まあ、日光に弱いからね。日焼け止めが入ってるファンデを使ってと。それから、午前九時から十時まで思考して、
リザ：だめ
？
リザ：その日一日の予定を書いて
わかった。午前九時から十時までにその日の予定を書いて確認する。
リザ：それから？
そうね、十一時半まで物語づくりに励む。
ロクバン：よろしい
あ、よかった
昼食を摂ったら休んでと、それから？ それからは、えーと。趣味。
ロクバン：いっこうにすすまないな。
実際は午前中に考えたことを午後に書いてるんだよ。だから思考する時間は必要なの。でもまあ、しかたないから予定表を書くよ。
ロクバン：それでいって何日くらい？
へ？ 話が出来上がるのが？
ロクバン：そう
えとね、三日かけて草稿あげて、一日～二日寝かせて、設計図をひき……二日くらいかかるかな。そしてさらに設計図にちょこちょこと手を入れて、一日。清書まで合計はー一週間以上かかる。
ナナバン：それじゃヨムできない
そういう問題もあるよ？ でも物語にかかりきりになるとどうしてもそれだけかかるんだよ。人生削ってるよわたくし。これ以上文句あるわけ？
ロクバン：んー。えっと……削るのは勝手だが、消化吸収はどうする？
え？ 何の話？
ロクバン：カクはできてもヨムができてない。この状況をどうするつもりだ？
えーとね。カクが終わったら一気にヨムする。今日みたく休憩してからね。気にかかる作品はフォローしておけば、カクヨムの運営さんから、メールで更新のお知らせが届くからね。
ロクバン：ＯＫ
危機は去ったの？
ロクバン：（にっこり）
どうやら、これからってとこみたいだな……
ロクバン：ＯＫ
じゃあ、これ以上近況ノート埋めるのやめて睡眠のために時間をつぶす。
ロクバン：（にっこり）
仏さまや……
ロクバン：来週くるよ……――
おやすみいー
一同：ぐう