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神は細部に宿る 

ダウントンアビーは正直に言うと総合的にはあんま好きじゃないんですよね
風景とかあの時代の装飾とか貴族の生活風景、それが戦争に飲まれて行く感じなど、いわゆる「リアルに描く」というのは一生懸命描いてるのは伝わって来るけど、若干リアルに描くことを死を描くことだと思い過ぎてる感じがあるのが好みじゃない。

あといい人からとにかく致死率が高いのも勘弁してほしい。

いい人が亡くなれば多くの人が悲しむであろうってそんな的確な分析いらん

分析っていうか当たり前だろ

ダウントンアビー嫌な奴もいっぱい出て来るのになんであんないい人からどんどん死んでいくねん


わたしはな!!!


ダウントンアビーではシビルとアンナさんだけが幸せになってくれればあと基本どうでもいいんだよ!!!

そういう見方をしてるんだあのドラマは

一番大好きなのはシビルなんだ!!

シビル亡きあとの希望がアンナさんだけなのになんでアンナさんだけあんないつも幸せになれそうでなれねえんだベイツもっとしっかりせい!!


アンナさんが幸せになれそうな雰囲気4回目くらいにベイツの逮捕で邪魔された時にダウントンアビーは見るの止めちゃいましたね

やはりね一人に対してのしつこすぎる不幸は視聴者に飽きと不快感を与えるのでそこはやっぱり人生に不幸があるにせよフィクションなんだから分散させなきゃだめだし、同じ人に山ほど不幸だって起こりえるのが人生とはいえ物語で一人に三回以上同じ方法で不幸が起こるってのはくどすぎるのでバランス考えて!! って思います

私は途中で見るの止めちゃいましたが、あの調子じゃアンナさんにもう二、三回は不幸なこと起きそうな感じ非常にストレスです


シビルとブランソンのカップルがほんと可愛くて大好きだった……🌸


一番この二人で好きなシーンがあるんですが、
シビルは女性参政権とかにとても興味を持っている女性で、型にはめられた貴族生活ではなく、一人の女性として自由に考え生きることを意味があり、幸せだと思うため、新しいドレスを買いに行く時に、「今までの貴族の女性が着たことのないようなドレスが欲しい」と思って自分で好きなドレスを選びに行くのです

シビルが選んだドレスはそれまでの英国貴族の女性が着たことないようなタイプの、すごく斬新でサルエルパンツ的なスカートですらない、でもとても趣味の良いシビルの魅力をよく引き立たせてるドレスなのですが、
これをシビルが皆さんにお披露目している時に、
運転手でしかないのでブランソンは屋敷の外から盗み見るしかなかったのですが、どうしてもお嬢さんがどんなドレスを選んだのか知りたい!と思ったんでしょうね(ドレス選びの前に、二人は人間の権利の話で意気投合している)こっそり窓から盗み見るんですよ。

そして「自分の好きなドレスを選んでみせる」って言っていた彼女自身で選んだドレス姿を見ることに成功するんですが、そのシビルの生き生きとした輝くような美しいドレス姿にブランソンが少し驚いて圧倒されたような顔をしたあと、笑って小さく首を振る仕草をするんですよ。

「このお嬢様はすごいね……!」

っていう感じのシビルの内面の美しさにも外見の美しさにもどっちにも魅了された瞬間が描かれているんですよ。

シーズン1【移り行く心】のホントラストのワンシーンでしかないんですが……。



私は思うのですよ。

本当にこういう、些細なエピソード。

無くても多分いいのです。

問題はない。他にもシビルにブランソンが惹かれて行くようにはどれだけでも描けると思うし。

しかしながら、ああいう些細なシーン、
なくてもいいですが、



実の所書くことに何よりの意味と価値がある気がするのです。



書かないでも大差ないというより、

書くことで他の作品と格の差が出るのですよ。


私が小説でもいつもいつも「些細なシーンにこそ、その作者の実力が現われる」と言ってるのはこれが理由で、些細なシーンに気を向けなかったりそういうのを書けない、あるいは書かない作者には、真価の感じようもないのですよ。

些細な人間の心情描写までしてない作品は、正直私の中ではその時点で「良作ではない」と判断していいくらいなんですよね。

別にあそこで、シビルが新しいドレスをお披露目するだけでも、彼女の魅力は伝わりますし表現出来ます。
これは多分誰でもできる。
普通の作家は書けます。


しかしあそこで「後にシビルと結婚することになるブランソンが、彼女のドレス姿を見ているシーン」をここでちゃんと作って見せて来るって仕掛けが、細やかな人間描写に気を遣うということなのですよね。


なくてもいいのです。
別に。なくて話が通じなくなることは無い。

だからといってあのシーンを「無くてもいいシーンだ」と削ってしまうのはあまりにセンスのない発想なのです。

①話を理解するために、不必要なシーンはあるかもしれませんが(そのエピソードが無くても話が繋がる、分からなくは全くないもの)

それと、②作品をより魅力的にするエピソードであるかは実は別なのです。

センスのない人は、①の条件にあてはまるエピソードをカットしてしまいますが、センスのある人は敢えて②を描く。
ちゃんと文字を消費して②を描く。

結局①しか重視しないと「話はまあよく繋がってるけど、あんま魅力はないね」っていう話が出来上がるだけなのです

論文じゃないんだから小説で大事なのはむしろ②なのですよ。

だから私はこんないつも口酸っぱくなるまで「細かい感情描写を意識して書くべき」と言っているわけです。

それは、

それを書いてる作品と 書いてない作品は、読んでてすぐに違いが分かり、
あまりに書いてる内容に、魅力の差が出るからなのです。


ダウントンアビーは総合的には好きじゃないドラマなんですが、
あのシビルのドレス姿お披露目をブランソンが見ている!! のを書いている!! っていう部分一つでもものすごい高得点の評価叩き出して来るんですよ。

好きではないですが、
好きなシーンは結構ある。
好きなキャラもいます。しかし致死率高いがな😇


このおおおおおおお視聴者の心を弄びおって~~~~~~!!!!


視聴者や読み手の心を弄びすぎるドラマとか小説は基本あんま好きじゃないですな


ダウントンアビーは本当にシビルとブランソンが最後まで生き残って共にいてくれるだけで最後まで見たもん。他の設定がどんな酷くなってもあの二人だけ幸せにいつも寄り添って生き延びてくれてたら最後まで見た


言っておくぞ
「このキャラがいるだけでこの作品最後まで見るわ」
みたいなキャラはな、やっぱり死なせちゃダメなんだよ 分かったか作家たち

わかるよ!

だからこその死だ!! 分かるよその考え方。

でも人間の死って一回しか使えない禁断の大魔法みたいなもんだから!!

一回使っちゃったら終わりだから!!

出来る限り「目を覚まさない」とかで留めときな!!


私が思うにそこまで追い詰められてないくせに禁断の大魔法最初から唱えに行こうとする作家とか脚本家が多すぎるのよ!



ダウントンアビーの個人的な敗戦理由はもうシビルを死亡させたの一点ですな。

あれさえなければ勝ってたね 誰にかは分からんがとにかく勝ってたね

まあとにかく色々描かれた激動のドラマだったが……まあ結局シビルは生きてるからいいか……みたいに最後どんなことがあっても話がまとまってたからな

シビルはああいう「激動の時代」を描くドラマの中では支柱というか、視聴者の心の拠り所になるようなキャラなんですよ。そのキャラがいるから、視聴者はどんなドラマの辛い展開も耐えてついていけるんです。

そういう扇の要みたいなキャラは絶対に安易に死亡させてはならん!!!

後悔するぞ!! 死ぬほど後悔するからな!!!


だから結論から言うとダウントンアビーは全然好きなドラマじゃないです。
ただ無茶苦茶好きなキャラは何人かいる。
あるよね そういう海外ドラマ 小説も😊✨


でもシビルのドレスお披露目シーンはとにかくとても可愛いのでぜひ一度見てみてください 



私はシビルのドレスお披露目シーンを描いてくれるような小説を読んでも特に感動しませんが、
シビルのドレスお披露目シーンで、未来のシビルの旦那さんがこっそり盗み見て彼女の美しさに感動してるようなシーンまで挟んで来てくれるような小説が大好きです

芸がある✨


【神は細部に宿る】ってのは本当だよな。

やはり細部にこだわる仕事を出来るか出来ないか
してるかしてないかが、際立つ作品残すプロと凡庸なプロとの差だよなって
海外ドラマ見てていつも思います
同じ商業作品でもやっぱ格の差はこういう所に出るのである


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