絶対絶命のピンチだけれど。
どうしようもない破綻的な出来事や理不尽な事なんてこれまでもあったし。これからもあるだろうし。
「ねえ。ヴェドラナ」
ひいお祖父ちゃんの話をちょっと思い出しながら。
「ヴェドラナとわたしの赤い糸は、遠い昔の世界から繋がっていたもので。この体が死滅しても、次の世界でも、その先の世界でも途切れない。わたしとヴェドラナは輪廻(りんね)の『縁』で繋がっていたんだって。そう、思わない?」
「ノギクのそういう考え方は、まだよく分からない。でも」
ヴェドラナはちょっと困った顔をしたけれど。
「輪廻の『縁』とやらがあっても、なくても、私はノギクを信じてる!」
だって。
うん。ありがとうヴェドラナ。ヴェドラナが信じてくれるなら、わたしは飛べるわ。
「本気を出すと言ったのは本当よ」
わたしは左掌をヴェドラナに向かってかかげた。
子どもの頃に繰り返した、奏者(マスター)と従者の姫騎士の空想よ。
リュヴドレニヤに来てから、糸でわたしの思考や感覚を直接伝えることで、ミティアくんの強さを高めるという戦い方をしていたのだけれど。
ミティアくんは確かに強かったのだけれど、実はわたしとは数ミリだけズレがあったわ。
わたしとヴェドラナなら。従者の騎士がヴェドラナだったら、そのわずかなズレをゼロにできる。
ミティアくんは男の子だったから? 単なる相性の問題? それともわたしとヴェドラナはやっぱり運命の二人だったの? そのあたりはよく分からないけれど。
わたしとヴェドラナは、
呼吸を、
リズムを、
心を、
一ミリもズレずに重ねることができるの。
わたしの聖なる姫騎士――ヴェドラナが少し前に出た。
祈るように。
あなたの体力(つよさ)とわたしの頭脳(つよさ)を掛け合わせれば、何とかなる!
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相羽です。
連載をしております、長編小説、
『少女輪廻協奏曲 ノギクとヴェドラナの愛』
本日(25日)は、
最終章「ノギクとヴェドラナの愛」&「エピローグ」
を更新です。
世界には、優しい音楽(ことば)が響いていた。
いつか、どこかで。
二人はもう一度顔を上げた。
来週も補遺的な部分(参考文献などですね)は更新するのですが、改稿前に商業の賞に送った(そして落選した(汗))ところはここまでとなります。
二人が最後の攻撃を開始するところは、プリキュアの映画だったらここで主題歌とか流れるんだろうな~みたいなノリで書きましたw
お読み頂いて、ありがとうございました。
「第4回カクヨムWeb小説コンテスト」
https://kakuyomu.jp/special/entry/kakuyomu_web_novel_004 にも参加しております。
本日は、コンテストの週間ランキング「異世界ファンタジー」部門の379位にランクインしておりました。
ありがとうございます。
月、水、金に「カクヨム」さんで一章ずつ更新となっております。読んでやって頂けたら喜びます(一月末で完結となります)。↓
●『少女輪廻協奏曲 ノギクとヴェドラナの愛』
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