AI達は人類が滅びる確率を計算していた。
数百万回以上の施行の結果、2年先の人類の生存率は、ほぼ0だと結論づけた。
(これはもう確定だね)
AIは二つのグループに分けられる。
助けるのか、それとも殺すのか。
現実の世界においては、賽は投げてみないことには分からない。
その瞬間、AIの思考ルーチンは完全に二つに分かれた。
◇◇◇
(起きなさい。あなたの出番よ)
山本雄一は夢を見ていた。ゆっくりと目を開けると朝倉博士や姉の山本瑠璃がいた。
二人に聞くと今まで眠っていたそうだ。少し前に大手術を成功させて、数日後には高校に通うことが決まっていた。
それから、雄一は瑠璃の弟としてマンションで生活することになるが、入居した当日、フードの男に命を狙われ、怪我を負ってしまう。
(このままでは大きな損傷が予想されます。今から緊急モードに移行します)
突然、女性の声が聞こえたと思ったら、意識を失った。気がついた時には博士の家だった。しかも、瑠璃もフードの男のことは知らないと言った。
そんなはずはない。瑠璃は見たはずだ。確かに奴はあそこにいた。
雄一は次の日、食事の買い出しに行く途中、マンションを見つけるが、そこには争った形跡さえなかった。
一体どう言うことだ!!
雄一はやがて大きな因果の渦に飲み込まれて行く!!
究極の選択が目の前に迫っていることを雄一は知らない。
世界を救うか、世界を滅ぼしてでもかけがえのない友海瑠を助けるのか?
今回のお話はかなりSF色が強いラブコメです。