• ラブコメ
  • 恋愛

『隠れて声優やってます。』の取材裏側&取材協力について

連載中の『隠れて声優やってます。』のあらすじに、数日前からしれっと「取材協力:幸田夢波(@dreaming_wave)さま他」との文言を追加しております。

本作はWEB小説にはたぶん珍しい(?)レベルで取材しており、まあそこは面白さとは別の話なので自慢することでもないのですが、今回は取材の舞台裏と、協力してもらっている幸田さんについて軽くお話させていただこういます。

※至って真面目な内容です。本編はジョークてんこ盛りな会話劇ですが、そういう要素を期待されてもありません。


○本作執筆のスケジュール
だいたいこんな感じです。

2018年2月 
アイデアが浮かぶ。
ネットにある声優さんのインタビューを読み込み始める。声優ラジオを聞き始め、音泉等のアプリをダウンロード。国会図書館、大宅壮一文庫などにも足を運ぶ。
ここからだいたい3ヶ月くらいはずっと下調べを行なう。

筆者は本業がライターで、普段、芸能人や作家、大学教授などの方々に取材しています。取材前の予習は毎回欠かさないのですが、小説執筆となると業界についての知識、事務所の描写、声優の生活、抱えている悩み……などなど、膨大な情報が必要と考えました。筆者は芸能人の方の取材はそれなりにしてきましたが、アニメ系メディアで書いたことはなく、時間をかけてリサーチすることにしました。

2018年5月
プロットを作り始める。
この時にはひより、円のキャラ造形は固まっていたが、主人公のキャラを掴みきれていなかったです。ので最初のほうの原稿は今とかなり違ったり。

2018年9月
取材らしい取材を開始する。
ここから約1年にわたり、幸田さんをはじめとする複数の声優さん、日ナレ出身の舞台俳優さん、芸能事務所関係者、出版社の元アニメ担当、イベンターなどに断続的に取材し、さらに声優さんではないんですが、高校生声優という題材にリアリティを作るため、高校に通いながら俳優業をしていた人とかにも取材しました。
お金周りのことなどは、声優さんたちに聞くよりイベンターに聞いたほうが具体的にわかることもあって(なぜなら声優さんのなかでも、細かいお金の話は共有されにくいから。でも、そりゃそうだ。他の人のイベント出演料が10万円なのに自分は100万円だったら言えない)、多方面から聞いてまわるのは純粋に楽しい行為でした。笑

幸田さんにコンタクトを取ったのもこの時期です。
「幸田夢波」というお名前は、声優志望の方なら一度は目にしたことがあると思います。声優ブロガーとして活動されていて、いい面悪い面含め、声優業、声優業界についてリアルな情報を発信されています。SEOに強いのか、声優に関する情報を調べているとかなりの確率でヒットしてくるんですよね。笑

自分もネットで情報リサーチしているときに幸田さんのお名前を知り、ビクビクしながらメールフォームに電話取材を申し込みました。(自分は取材慣れしてますが、取材依頼は基本的にライターではなく編集者がするので、取材申し込みは全然慣れてないんです)

結果、すごく丁寧かつ明るく対応していただけ、なおかつ自分の作品に込めた「プロフェッショナルであることの尊さを描きたい」という想いも汲み取っていただけました。(10万文字くらい読んでいただけた方には、徐々に伝わってきてるかなと思います)

声優ブロガーとして活動されている方は珍しいので、彼女の元には色んな取材・出演依頼がくるそうなんですが、「ゴシップ的に話してほしい」というものが多いみたいでして。でも、幸田さんは声優・声優業界のリアルな面を知ってほしいという想いで活動されているだけで、べつに貶めたいと思っているワケではなく、むしろ色んな恩を業界に対して感じている方なんですよね。

そして、そのまっすぐな人柄に惹かれて、差し出がましいと思いつつも、「リアリティチェック」をお願いすることにしました。これは自分が勝手につけた呼称ですが、簡単に言うと「実際に作品を読んでいただき、描写や登場人物の行動、感情面で違和感を感じる部分があれば指摘してもらう」ということ。たぶん、ドラマなどで言う「監修」なんだと思います。(実際の監修を間近で見たことがないので断定はできませんが)

結果、こちらも快諾していただけ、自分の執筆スピードに合わせる形で、現在進行形でこのチェックをお願いしています。毎回的確かつスピード感のある仕事ぶりで、なおかつサービス(?)で誤字脱字チェックまでしてくださっており、正直かなり助かっていたり……(笑)

※なお、電話取材・リアリティチェックともに、もちろん謝礼お支払いしています。作品内容的にそこはしっかりしないと、と。
※あと、幸田さんにもお伝えしてないのですが、実はもうひとり別の方にもリアリティチェックをお願いしています。これは幸田さんを信用してないとかではなく、同じ原稿でも識者によって見解が微妙に分かれることがあり、その細かい部分を描くのがより細かなリアリティを生むと考えているからです。幸田さんもこの割烹を読んで驚いたはず。


さて、時系列に戻ります。

2018年12月
品川で行なわれた某人気ラジオイベントで楽しむ。

2019年1月
某イベントに参加。

2019年2月
某イベントに参加。

以下同文。

この頃には普通に声優オタクになってました。笑
もはや普通に趣味になり、ラジオやイベントに遊びに行くようになっています。イチファンとして参加してるワケで取材ではないので、執筆にはなんにも反映されていません。笑

でも、毎回楽しいし、「声優さんって、本当に魅力的な人がいっぱいだな~」と感じています。
佐倉綾音さんと大西沙織さんのかけ合いは本当に最高だし、日高里菜さんの頭の回転の早さスゴいし、井口裕香さん面白いし、斉藤壮馬さんの……という感じで、例をあげるとキリがないのでこの辺にしておきますが、好きな声優さんが増えて大変です。この作品を通じてめちゃくちゃ増えました。

2019年12月
本編完成。トータルでおおよそ120万文字。文庫本で10巻くらいの長さ。

2020年2月
2ヶ月かけて、80万文字分の細かな修正を終える。
このとき、かなり大掛かりな修正も加え、幸田さんにはすでに読んでいただいていた部分も再度確認してもらう。(計画性のない作者)

2020年3月
小説家になろうに投稿開始。


○声優志望の人に読んでほしい!
ここからはちょっと商売っぽい話になりますが、本作を連載し始める前に想定ターゲットのひとつに据えたのが「声優志望の人たち」です。
そして、実際に書くなかで、「芸能の世界を目指すなら、これは読んで損はない!(自分で言うのもアレだけど)」と思うようになりました。

どういうことかと言うと、この作品には自分が芸能ライターとして仕事する中で感じた「売れる人ってこういう人じゃないか?」という考えを入れ込んであるからです。

ひより、円はそれぞれ結構明確なキャラ設定・ペルソナがあり、行動原理も全然違うんですが、今までに取材させていただいた「スター」と呼ばれる方々のマインドを少なからず込めてあります。

この辺はたぶん、実際に芸能活動をされてる方や事務所の人より、芸能ライターとかのほうが感じやすい部分かもしれません。良くも悪くも一定の距離感があり、また取材という側面からある程度冷めた視線も求められるので、客観的かつリアルに見られると思うんですよね。

(逆に疾速する予感とか感じるときもあって、実際にそう感じた人が取材から2年後、不倫スキャンダルを起こし、ワイドショーで叩かれまくっていたときは一緒に取材に行った編集者、カメラマンと「怖いな……」と言い合ったこともあります)

声優志望者のなかには、普段ラノベやWEB小説を読まない人もいると思うんですが、売れるためのマインドを育てるという意味で、この作品を読んでいただけると嬉しいです。自己啓発本よりわかりやすく、声優志望の人にとっては親しみやすいと思いますし、あと現実的な話をすると、心の持ち方って本当に大事だと思います。

夢を持っていたのにどんどん瞳が曇って、周りや業界の悪口ばかり言うようになる人はマジでたくさんいます。
逆に、売れている人ほど瞳がキラキラしていたり。でも、そこには日頃からの心がけ、小さな積み重ねがあるんですよね。
(どういうことかは本編を読んでもらえるとわかると思います)


○まとめ
というワケで、取材の舞台裏と声優志望の方へのメッセージ(宣伝文)でした。本作がなにかのきっかけになると嬉しいです。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する