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第231話:【忍城・1】の先行公開です

第231話:【忍城・1】竜騎兵の本領発揮!






 1559年4月下旬
 武蔵国忍城東方半里(2km)
 東雲尚政


 やってくれるぜ。是政の奴。
 なんで防御施設、後片付けんのだ! 忍城を潰す時の簡易野戦築城を何故破壊せん!
 彼奴はいつもガサツでいかん。あれでよく火薬などと言う危険なものを大量に扱えるな。ああいうものはきちんと整理整頓を……

「旅団長。あの防御は近づけませんね。こっち、諦めますか? 東半里にある敵の荷駄隊を焼き払うとか。これも危険か」

 第1大隊長の吾妻が俺の望遠鏡を使って敵の状況を確認後、お気楽そうに意見具申をする。此奴はちょっと軽いノリではあるが戦ができる奴だ。戦死した中之条と同じかそれ以上に切れる。肝の座り具合は中之条の方が上だったな……

「やめておこう。こいつは罠だよ。伊達に戦神とか言われている訳ではなかろう。どうせ、あれを攻めあぐねる仕掛けがしてあるんだろう。罠を張る時間はあった筈だ。
 そうこうしているうちに後ろから上杉本隊が突っ込んでくる。忍城よりも遠ざかれば花咲城と利根川が邪魔で逃げられん」


 現在、忍城には太田の奴が指揮する第3旅団の1個大隊に、招集兵を含めて2500が詰めている。雨の日にでも強襲されると危険だ。罠などは勿論張ってあろうが、雨が降り始めたとき増水する前に小道を押し通ることは可能かもしれん。まだ鉄砲狭間の付いた塹壕を掘ることは出来ないと言っていた。なにせ周りの殆どが湿地だ。穴など掘りようがない。

「よし第1と第3大隊はここへ残れ。第4大隊はここから北半里で退路確保。第2大隊は俺と共に忍城周りを周遊。敵の隙がないか。もしあれば誘って攪乱する。
 第1と第2の統合指揮は吾妻に任せる。無理はするな。追ってきたら逃げろ。罠には注意。斥候を通常の2倍出せ。敵を叩くとき以外は死ぬな」

 皆がサムズアップする。結局のところ、下手に鬨の声だとか拳骨あげての指図は敵に見つかる。見えないハンドサインが一番と結論付けた。

 さて、これからドラゴンの見学と行こうか。



 注)当分東雲に限りカタカナ語が出てきます。政賢と語り合っていて意味が分かったらしいです^^。その内全員が使い始めるかと。




 今回から、前後半に分かれます。
 この後の竜騎兵の戦場行動は限定コンテンツにしています。

「狐と是政も結構悪態をつく仲なんだな」
「ここって湿地帯じゃないのか?ここで機動力と言っても……」
「東雲の指揮は安定感あるな。でも敵が……やばいやつ」


できれば本作品にもハートマークつけてください~い(^^♪

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