「今回インタビュアー……ではなく、なぜかツッコミ役として呼ばれましたクストです。いつもなら、ゲスト〇〇、インタビュアー〇〇って書かれた依頼書が来るんですが、今回はインタビュアーの部分が"ツッコミ"に置き換えられてましたね、ええ。嫌な予感しかしませんが始めていきましょうか。とりあえず、ゲストさんどーぞ」
『』
「うん、嫌な予感が的中しましたね、これは。正直今すぐ帰りたいんですが。すでに胃が痛い」
『』
「元凶にそう言われても……。まあ、これも仕事なんで渋々やりますが」
『』
「……。ええと、質問を始める前に、そもそも貴方は何者ですか?」
『』
「ああ、よくある異世界転生パターンの一つですね。私も、いくつか同じようなケースは見届けてきましたよ」
『』
「んー、まあ、本業が本業なんで。転生者は幾人も見届けてきたといいますか、実況や解説をしてきたといいますか」
『』
「いや、こちらの話なのでお気になさらず。で、貴方は新天地でどんな事を成してきたんですか?」
『』
「やりたい放題!?仮にも勇者として呼ばれた存在が何てことしてんの!?……と本来なら突っ込むべきなんでしょうけど。いかんせん、私が勇者とは思えない勇者を既に散々見てきた後なんですね、これが」
『』
「うん、だからって開き直っていいとは言ってないですよ?過去のろくでなしたちを正当化の道具にするのはやめてください」
『』
「うわぁ。一番力を与えちゃいけないタイプが最も強い力を持ってるパターンだこれ。どうすんだろ、この人の世界。収集つかないぞ、きっと」
『』
「せめて、世界が原形をとどめていることを願うとしましょうか」
『』
「もう既に壊した後!?こいつ絶対勇者じゃない!どっちかというと魔王!!」
『』
「時間だけでなく因果律まで操ってる!?魔王どころか魔神だこの存在!そうでなければ邪神!」
『』
「いやいやいやいや、自分の都合で世界どころか時空間まで改変して、気に入らないことがあればチェス盤ごとひっくり返すとか、それはもはや悪の所業でしょ!気に食わないやつがいたから石投げつけたみたいな感覚で、ほかの大多数まで巻き込むような暴挙はやめてください!」
『』
「ここでその力を行使しようとするのもやめてください!さすがに多次元まで浸食されると、こちらも困ります!」
『』
「なんでむしろ嬉々としてやろうとしてるの!?理性とか良心とかって概念が欠落してません!?」
『』
「断言された!この存在、思考にも能力にもリミットがない!?チートもここまでくると手におえないんですが!?」
『』
「にゃあああああっ!?やーめーてーくーれー……!!」
(大惨事発生中)
========== (必死の交渉タイム)==========
(涙目で修復中)
「……さて、復旧作業にだいぶ時間を費やしたわけですが、何か一言ありますか?」
『』
「反省って概念もない!?何この魔神!どこの誰だよ、こいつにこんな力を与えた大馬鹿野郎は!いつか、お前自身もこいつに食い殺されるぞ!」
『』
「あ、余計な事言ったかもしれない。でももういいや。既にあきらめの境地ですし。まさに、魔王の暴虐を止められなかった勇者の気分ですよ、今の私」
『』
「元凶がそれを言いますか。まあ、もうどうだっていいや。それじゃ、最後に何か一言、画面の前の皆様にコメントでもどうぞ」
『』
「予想通り、最後までやりたい放題!これ以上引き延ばすのは怖すぎるので、さっさと終わりたいと思います!さよなら!!」
「これは余談ですが、貴方ならうちの作者の”勇者の活躍を実況&解説してみた”に出てきても違和感ないと思いますよ、ええ」
『』
「褒めてません!」
あらゆるモノを尽く台無しにして進む勇者がいるらしいですよ?↓
『完全無敵!やる気が無さすぎる勇者の自由冒険譚』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893996418