紙男

『イディア界』またの名を『想造界』。 それは全人類に与えられた亜空間的存在であり、一個人の思考や記憶、欲望、自我、意識、無意識などによって創造、改め想像された唯一世界です。 即…

「まぁ、相手が誰であれ、私が軽く捻り潰してあげるよ」 殺し屋に狙われた僕を救ってくれたのは、僕の幼馴染だった。 天杜（あまもり）家。 それは大国にも勝る権力を持つと呼ばれる…

１、この作品は１４０文字以内で完結します。 ２、この作品には必ず不思議な少女たちが登場します。 ３、時に可愛らしく、時にユーモラスで、時に恐ろしい彼女たちに恋してください。

その一つのネームプレートに『69』という字が書かれている。いや、これはナイフか何かで掘ったものだ。出席番号にしては数が多すぎるから、単なる通し番号か、それとも何か意味があるのか。…

雑木林の中に凄然と佇む、円柱形の郵便ポスト。今は使われていないそのポストへ、少年Kは想い人Mへの愛を綴った手紙を投函しようとしていた――。 人を想うことへの幸せと苦しみを描く青春…

雨雲を管理する雨雲様は、今日も水の子たちの旅立ち（降雨）を見届けた。次の水の子たちの出迎えの準備をしようとした矢先、どこからかすすり泣く声が聞こえてきて―― 紙男がお届けする短編…

転校先の学校に馴染めなかった【僕】には、当時友だちがいなかった。 「友だちなんていなくったって…」 ユキとはじめて出会ったのは、そんなことを考えはじめていた、冬の終わりの日だった。