はるか昔、骨のようにガリガリの友人Tに『骨骨(ホネホネ)ラップ』をやってくれと突然頼んだ。
Tは一瞬だけ逡巡した後に
「YO!俺は小さい頃からまぁじガリでぇー!太ることに憧れ泣いてた日々!体重計恐れ先細る日々!Yah!」
という見事なライムを披露した。
Tは普段HIPHOPを聞かぬが、生まれながらの天才ラッパーだったのだ。
彼は今、宇宙のどこかの電話会社で働いているらしい。
しかし今でも「ラップやって」と言えば見事なライムをお見舞いするだろう。
埋もれた才能を勿体なくも思うが「農民に身を落としたが、実は凄腕の剣豪」みたいで逆にかっこいいとも思う。