織部

宗介は、末期癌患者が最後を迎える場所、ホスピスのベッドに横たわり、いずれ訪れるであろう最後の時が来るのを待っていた。 後悔はない。そして訪れる人もいない。そんな中、彼が唯一の心残…

　先天性の心疾患を患っていた僕は最新のAIを組み込まれたペースメーカーを埋没されることで病気を克服した。 　AIにより知能を授けられた心臓は愛と名付けられ誰にも聞こえない声で僕を…

　彼女は、"笑顔のないエガオ"と呼ばれていた。 身の丈を超える大鉈を振り回し、荒くれ者の集団メドレーの隊長として、最強の戦士として王国の平和の為にその身を犠牲にした。しかし、そん…

　猫の額と呼ばれる他者を寄せ付けない断崖絶壁の山にアケと言う名の少女が住む。見目麗しく利発な彼女は山菜を摘み、畑を耕し、魚を捕まえながら自給自足の日々を送っていた。 しかし、彼女…

彼は冷たい男と呼ばれていた。 親しみを込めて 彼が触れたモノは凍えてしまい、口に含むと氷ってしまう。 しかし、彼の住む町の人たちは何よりも優しかった。 これはそんな特異な体質を持…

暗い坂を登った中腹に平坂のカフェはある。 白い店内、カウンターの奥にプロジェクションマッピングを思わせる大きな絵、そして寡黙な店主・・・。 彼は問う。 "生く"か？"逝く"か？と

香り屋の一人娘はちょっと不思議な女子大生。夢は小学校の先生になること。普段は真面目な学生だが実は・・・

港湾食堂は、今日もたくさんの人が訪れます。 港湾食堂の女将はお客さんたちのために今日も料理を作ります。いなくなった夫が帰ってくる日を夢見て

外交官になった友人キラが30年ぶりに故郷に帰ってくる。 シン、トモ、ケンの3人は大喜びし、久々の4人での飲み会を企画する。 　再会に涙し、語らい合う4人。 　そして話しは30年前…

結尾美織は、生まれてから1度もみそ汁を飲んだことがない。飲みたくないなではない。飲めないのだ。 そんな彼女の人生は一杯のみそ汁にずっと振り回されてきた。 これはそんな彼女の日常ス…

タケルとナオは最高の夫婦。それはお互いの家族からも高校の頃からの友人からも認められるほど。しかし、どれだけの人が気づいているのだろうか？この2人が出会ってから結婚するまで指すらも…

鍵しっぽの茶トラ、ミーには生まれつき不思議な力を持っていた。だからと言って苦労した訳でもなく飼い主夫婦と仲間と和気藹々、のんびりと暮らしていた。そんな時に夫婦の間に待望の男の子が…