夏がずっと居座って
10月になってもすだれの似合う日々
もう夏の儀式はとっくに終わっているのに
何もしないのに汗が頬を伝う
見上げると高い空
朝晩に見せる涼しさ
記憶が過去に引っ張られる
今を認識しなければいけないのに
かぼちゃたちが悪魔の真似事をして
そなお祭りを僕らは楽しんでいる
違う誰かになって悪戯な笑みを浮かべて
ご褒美のお菓子はもう準備したかい
周りを見渡すと一面のセイタカアワダチソウ
その優しい黄色い花は虫たちのごちそう
僕は歩きながら続く景色を見ている
涼しい風が吹いて汗も引いていく
いつもやってくる同じ繰り返し
今日はとてもいい天気
変わらないようでいて変わり続けている
いつの間にか淋しくなっている
天気予報が雨を予言していて
やがて季節の顔はしれっと夏を忘れるのだろう
いつだって目が覚めると新しい一日
今夜は最後の入道雲の記憶を反芻しよう