皆さま暑中お見舞い申し上げます。
早速なのですが、2〜3日前に新たにレビューを頂きましたので、この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。
あまりカクヨムの方ではぱっとしない感じの本作ですが、先月アルファポリス様主催の「第2回歴史・時代小説コンテスト」で特別賞を頂いた作品ですので文章や内容に関しても割と自信を持ってお勧めできる作品です。これを機によろしくご支援お願いします。
頂いた疑問に関してなのですが、ご指摘の通り、史実の連続性に無理が生じないように創作の部分は取り入れています。逐一調べられるとわかってしまうことですし、秘密にすることでもありませんから、ここで洗いざらい白状しますと、韓信が淮陰時代に故郷を襲われ、その窮地を脱したという部分はすべて創作で、それにまつわる登場人物も創作です。ただそれも史実から膨らませた形なので、実際に楚方面を侵略した陳勝配下の武将は存在します。
鞠武という人物に関しては、燕の太子丹の守役として実在した人物です。ただ、その人物が楚に逃れたという史実はございません。よって、彼が晩年に自らの生い立ちを吐露した台詞に関してはすべて史実にあったことではありますが、それ以外の部分は創作です。
カムジンに関しては完全に創作でして、実を言うと楼煩という民族がどのような名を名乗っていたのか、よくわかりません。蒙古族っぽい名を付けてみたのですが、結果的に初代マクロスに出てくるキャラクター名みたいなものになってしまいました。その最期に関しても「泣いて馬謖を斬る」ような展開となりましたが、人の上に立つ武将というものは、多かれ少なかれこのような経験をするものだろうと思い、取り入れた次第です。
魏蘭も創作の人物ですが、ご承知の通り史書には女性に関する記述が極端に少ないものです。しかし実際に女性は古代にも存在していたことは明らかなことですし、男女の関係は昔から普遍的なものです。当初は作品に彩りを添える意味で登場させた人物ですが、その出自を設定する部分などでかなり苦労した経緯がありますので、結果的に作者お気に入りの登場人物となっています。
その他にも創作のエピソードや登場人物はいろいろとあるのですが……特に登場人物に関しては史実とつじつまを合わせる都合上、割と早い段階で舞台から消えることになってしまいました。このことに関しては、残念なことではありますが、結局この作品は韓信の伝記的なものでありますので、極端に史実と異なる展開にはしたくなく、創作の部分に関してもできる限り読者の方々に「そういうこともあったに違いない」と思われるような展開をさせていただいております。史実か創作か調べてみないとわからないという状態がベストであって、創作の部分で激しくストーリーを展開させたりはしないようにしています。だからこの部分をもって作者の力量をはかろうとはしないでください(笑)。構成にこだわっていますので、できればその部分で評価していただければ幸いです。
これからもよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。