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「砂委員の街」の続きをAIさんに書いてもらってみる。

連載中の「砂委員の街」ですが、現在第21話を執筆中です。
もう字数は大体足りてて、あとは仕上げるだけなのですが、ちょっとこれでいいのかなあという思いもあって。
で、ふと思いついて、20話の続きをAIに書いてもらってみようと思いつきました。

使わせていただいたのは、こちらの「AIのべりすと」というサイトです。
https://ai-novel.com/novel.php

20話の後半を入力し、その続きをAIさんに書いてもらいます。
出てきたのは、こんな文章でした。途中まではわたしの書いた第20話、途中からはAIさんが書いた続きです。

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 だけど、その日までに、あの子どもは、ルイだけは県庁に帰してやろう。
 もはや季節さえ分からず、太陽がどちらに沈んだかも分からない世界に、どちらから来たのか分からない、色のない夕暮れが降りてくる。ちょうど追い風が来たのでスキーに乗り、帆を立てた。
 島田りさ子がどこかで見ている。
 頻繁に彼女の視線を感じるようになったのは数日前のあの再会以来だけど、どうやらそれはほんとうは今に始まったことじゃなくて、ずっと以前から、たぶん何年も前から続いてきたことで、おそらくいつか感じた何かも、時々訳もなく落ち着かない気持ちになることがあったその原因も、りさ子の視線のせいに違いなかった。
 監砂台に帰り、鉄塔の上の照明を点けて部屋に戻ると、ベッドの上で身体を起こしていたルイがこちらを向き、目が合った瞬間、何かを悟ったらしく視線を落とした。
「起きてたんだね」
 わずかにうなずいた子どものつややかな髪が、窓の外から差し込む電灯の明かりになめらかに輝き、さっき眠っていたときと違って、今は頭の後ろできれいにまとめて留められていることに気がついた。
「ひとりにして悪かった。卵とソーセージなら食べられるかな。スープの残りがまだあるから温めよう」返事がない。
こっちを向いて座ったまま、膝の上に両手を重ねてうつむいている。
やがて、 〈ごめんなさい〉 と言った。
〈なんにも知らなくて…………ごめんなさい〉 ああそうか。この子は謝ってるのだ。
自分の知らないところで、自分に関することを知らされていることに対して。
いや、それだけじゃないかもしれない。
何も知らず、何ひとつ教えてもらえないことについて? 〈ルイちゃんはどうしてここにいるの?〉 と訊いてみたけれど、答えはなかった。
代わりに、 〈お腹すいてるの〉 と訊かれた。
答える前に、僕はテーブルの上に置いてあったノートを手に取り、ページを開いた。
最初のページには、ルイの目の色と同じ青いインクでこう書いてある。
【ぼくたちはみんな、ここに来る前はそれぞれ別の場所にいたんだけど、いつの間にかこうしていっしょにいるようになった】
それから少し考えて、こんなふうに書き足した。
【ぼくたちの中に、きみのことを心配している人がいるよ】
すると、それをじっと見つめていたルイが言った。
〈あたしのこと心配してくれている人が、ここにはたくさんいるのね〉 そう言うと、ふいに立ち上がってドアの方へ歩いていった。
〈どこにいくの?〉 僕の声に振り向いた彼女は、 〈お手洗い〉と答えた。
〈ひとりで大丈夫かい?〉 〈平気〉 ドアを開けると、廊下に出た彼女が部屋の中に向かって、 〈ありがとう〉 と言った。
僕はそれを聞いて、なんだかとても嬉しかった。そして、しばらくすると、廊下の向こうからかすかに水が流れる音が聞こえてきた。
しばらくして戻ってきたルイは、またベッドの中に潜り込んだ。
毛布の中で丸くなったルイの小さな背中を見ながら、僕は考えていた。
あれから何度か考えたけど、やっぱりまだ分からない。
なぜだろう? ルイはいったいどこから来たのだろうか。
あのとき、あの場所で、あのタイミングで、僕の目の前に現れた彼女。
でも、本当は違う。
彼女はただそこに現れたんじゃない。
あるいは、現れたという言い方そのものが間違っているのかもしれない。
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今のAIというのは何ともたいしたものですね。物語はよくわからないけど、なかなかそれらしい文章になってます。
今書いてるほんとの第21話とは、全然違いますけどね。

しかしなんでお手洗いに行くのかな。

※(付記)これはあくまでお遊びとしての実験です。AIによって生成した文章を「砂委員の街」本編に用いることはありません。

11件のコメント

  • Aiが書くんだったら書き手なんて、最初から必要ないじゃん。

    文字を紡ぐ小説は人間文化の最後の
    砦。
    それをAiに委ねた時点で、書き手としての創作力は終わっている。
  • >楠本恵二さま

    ご意見ありがとうございます。おっしゃるとおりなんですけど、こういうテクノロジーの進歩って、面白くないですか? わたしは想像力を刺激されます。
  • まぁ、頭っから否定するのもアレなんで、サイト見てきましたが……ちょっとした文章を補助的作成する程度の利用なら、何かのイベントスピーチ文章を急遽作成しなければならない時とかには使えそうですが。

    自分は小説には流用する気持ちはありませんね。

    それにいくらAiが書いた小説でも、ブッ飛んだ発想構成はできないと思うので。
    Aiが人間みたいに悩んだり、同種のAiに憎悪や殺意を抱いたり。
    自殺しようと思わない限りは。
    そこだけは人間の武器ですね。

    人間は人生の『負の感情』を糧に、作品の発想も生み出してきているので。
  • >楠本恵二さま
     言語やテクノロジーへの関心で遊んでみたのであり、小説本文に使うつもりはありません。もっとはっきりとそう書いておくべきでしたでしょうか?
     AIによる文章が、今の技術で小説として使えるものになるとは全く思っていません。言葉の表面をなぞっているだけで、物語の構造や人間の心理といったものに踏み込むことは全くできていないようですし。
     ところで、今までにどこかでお話したことがありましたでしょうか?
  • いいえ、話したコトは無いと思いますよ。
    「言葉の表面をなぞっているだけ」と理解していらっしゃるのなら安心しました。

    失礼しました。
  • >楠本恵二さま
     そうですか。安心していただけたようで何よりです。
  • こんなサイトがあるんだ。面白いですね。
    多数のパターンの組み合わせなのでしょうけど、ちゃんと文章として読めるのだからすごいなと思います。
    最後の
    「彼女はただそこに現れたんじゃない。
    あるいは、現れたという言い方そのものが間違っているのかもしれない」ってところ、なかなか今時っぽいですよね。
    「書き手」のAIにはなんの意図も心も無いのに、そうと知らなければ人間が勝手にそこに意図を見いだしそうなのも皮肉が効いていて面白いし、ぎくりとする気がします。それは相手が人間であっても、そこに意図や心があってもなくても、きっと同じことですし。
  • >@aya_lv_happy_31さま
    AI、かなり良いところまで来ていますね。ただあと10%くらい何かが足りなくて、でもこの10%が決定的に難しいんじゃないだろうかという感じがします。コンピュータにどんなに膨大な量のデータを食べさせても、言語と現実とをつなぐもの(つまり身体?)が欠けているために、ただ形だけをなぞってつぎはぎしているだけになってしまっているのかもしれません。そこをクリアーすれば、ほんとうにコンピュータが小説を書ける時代が来るのでしょうか。あるいは、ほんとうの意味で書いているわけではなくても、わたしたちがそれを見分けられないレベルにまで到達するかもしれませんね。
  • (おまけ)
    エッセイを素材にしたら、もっと自然な文章ができてびっくりしました。以下に掲載します。なんか恋愛要素が入ってくるのが笑えます。
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     旅行のときはたいていホテルに泊まりますけど、旅館も好きです。

     まず部屋に案内されると大きな座卓の上にお茶とお菓子が用意してありますよね。あれを見るとうれしくなって、なにはともあれまず一杯お茶をいれていただいてしまいます。梅昆布茶とか普段は飲まないものでも、旅館の部屋ではなぜだかすごくおいしい。

     そしてお菓子ですね。その土地の名産だったりして、ときどきすごくおいしいものに出会えたりします。あとで買って帰るために商品名を覚えておかなきゃいけませんね。

     荷物をおいてぶらっと周囲を散策するのもいいですが、ちょっと時間が遅かったらもう浴衣と羽織に着替えてしまいましょう。普段和装に縁がないものだからまともに着るのも難しくて、座椅子に座れば裾が乱れるし、畳に寝転べば前がはだけてしまうのですが、まあいいでしょう。ここは自分の空間です。誰にだらしなく思われるわけでもありません。それとも、だらしなく思われても構わない相手しかいないか。

    ーーーーーーー【ここからAIによる自動生成】ーーーーーーーー

    そう考えると気が楽になります。
    部屋に戻ってさっそくお風呂に入りましょう。このあたりは温泉が多いからどこへ行っても大浴場があるんですが、わたしはあまり大きいところが好きじゃないので、露天風呂のある小さな宿を選びがちです。
    一日の疲れを落としながら、周囲の景色を見てるとだんだん心がほぐれてきます。
    なんというか…………こういう時間こそが旅の価値だと思うんですよね。
    ひとりきりだからこそ得られる、自分だけの特別な時間。
    それを味わうためだけに旅行をしていると言っても過言ではありません。
    「……………………」
    ああ、いい湯加減。身体の表面が温かくなってきたところで、肩までつかってゆっくりと手足を伸ばしていきます。
    目を閉じると、まるで深い海の中にいるみたい。
    どこまでも落ちていくような感覚に身をゆだねるのが好きです。
    ふわりとした浮遊感に身を任せているうちに、頭の中にさまざまな記憶やイメージが次々と浮かんできました。
    家族のこと、友達のこと、学生時代のこと、仕事のこと…………。
    それから、好きな人のこと。
    あーだめだ。思いだすんじゃなかった。また会いたくなってきちゃったよ。しばらくすると、少しずつ頭がぼうっとしてきたので、そろそろ出ようかなと思いはじめます。
    だけどなかなか動きたくない。もう少し浸かっていることにしました。
    身体の芯までぽかぽかしてきて、全身が熱いくらいになったころ、ようやく立ちあがります。
    脱衣所で髪を乾かしていると、ちょうど仲居さんが夕食の準備ができたと呼びに来てくれました。
    部屋に戻るとすぐに料理とお酒が用意されました。ご飯を食べながら窓の外を見ると、すっかり暗くなっていることに気付いてびっくりします。いつの間にこんな時間になっていたんだろう? いつもならまだ仕事をしていたはずなのに。
    なんだか不思議な気分のまま食事を終え、今度はお酒をいただきます。
    今日は飲むぞ! と決めていたので、日本酒をぐいっといきました。
    食後にお布団が敷かれているところを見たい気持ちもあるけれど、それは我慢して、テレビを見ながらお茶を飲みます。
    「ふう~」
    思わず声が出てしまいました。
    やっぱりお風呂のあとのお酒は最高です。
    しかも明日は休みだし、ゆっくりできるし。

    今ごろみんなどうしているだろうなぁ。
    あの人はちゃんと眠れてるだろうか。
    そんなことを考えていたら、急に寂しくなってきました。
    誰もいないし、電話かけてみようかな。
    でも迷惑かも…………。
    迷っているうちに、携帯電話が鳴り始めました。

    「はい」『もしもし』
    「あっ」
    『ごめん、起こしちゃった?』
    「いえっ、起きてたので大丈夫ですよ!」
    『よかった。なんか元気ない声だったから心配になって』
    「えっ?」
    『飲みすぎて吐いてたりしないよね?』
    「あはは、まさかー」
    『そうだよねぇ。じゃあどうしてたの?』
    「えっと…………その…………」
    『ん?』
    「ひとりでお風呂入ってました」
    『うん』
    「それで…………その…………ちょっと酔っちゃって、いま電話で話してるところです」
    『なるほどね。そういうときは僕に電話してくれていいんだからね。いつでも駆けつけるからさ』
    「はい。ありがとうございます」
    『おやすみ』
    「おやすみなさい」
     通話終了ボタンを押したあとも、しばらくのあいだ画面に映る自分の顔を見つめていました。
    きっと今のわたしの顔は、だらしなくゆるんでいます。でも、それが心地よいのです。
    さて、旅行も終わりです。
    楽しい時間は過ぎるのが早いもので、あっという間に東京に戻ってきてしまいました。
    家に帰ってもわたしには仕事があるわけで、それを考えるとちょっと憂鬱です。
    とはいえ、このあとは上司とのミーティングだけなので、それほど遅くならずに帰れそうです。
    帰りの新幹線では、さっき買ってきたお菓子をつまみながら、これからのスケジュールについて考えます。
    まずは原稿の直しですね。それから雑誌の取材が二件と、来月の打ち合わせがひとつ。
    「…………」
    せっかくの連休も、結局ずっと仕事のことばかり考えて過ごしています。
    でも、いいんです。
    わたしがやりたいことは、全部この中にあるんですから。
    もちろん、もっとたくさんいろんなことを経験できたらいいとは思いますけど、でも、それだけが人生じゃないはず。そうでしょう? だから、これでいいのです。
  • エッセイ版、これはやばい。びっくりするほど自然ですね。


    なんというか、知らずに読んだらたぶん、前半の猫村さんが書かれた文章より、むしろ後半に「人間味」「親しみやすさ」「好感」を感じられる人が多数派じゃないかなとも思いました。
    そして、自然であるがゆえに、AIは(というより人間は?)ステレオタイプや思い込みから逃れられないのかなあという感じもしますよね。

    旅館やのんびりした温泉宿から帰る場所といえば東京。帰れば日常が待っていて、その日常は旅先と違って忙しく、人は恋をし、「わたし」が恋をする対象は「ぼく」。とか。

    ひねくれもの的にはAIが書いたこの文章の人格、ちょっと嫌なんですけどね。ステレオタイプで共感を誘う文章に見せかけながら、電話をしたいと思っていた相手(おそらく恋人ではなさそうだけど)からタイミングよく電話がきて、欲しかった優しい言葉をかけて貰えるし、日常の方もなんだかんだ充実してそう(ミーティングと打ち合わせと雑誌の取材ってわざわざ書く必要あるのかそれ)あーこういう文章が好かれると思ってるのねはいはい、と後半には思ってしまう。それくらい自然で「人間味」を感じる文章でした。
    面白い遊びだったと思います。


  • @aya_lv_happy_31 さま
    このエッセイの猫村、たしかに人間味も親しみやすさもあんまり無いですもんね……。この文章を生成したAIが、温泉の気持ちよさもお酒の味も本当は全く知らなくて、ただ言葉を組み合わせているだけだという事実には愕然としますね。純粋に文字の戯れでしかなくて、本当は内容など無く、温泉も旅館も電話も実は全く関係が無いわけです。生成するコンピュータがすごいというよりは、認識する人間の脳の側の問題に過ぎない部分もあるでしょうけど。
     しかしつぶさに読んでみると辻褄の合わない部分も散見されますし、実はこの続きをさらに生成させてみると、どんどん不気味で不合理なものに化けてしまいました。
     鍵はおそらく人間の身体を通じた言語と物質との間のインターフェイスにあって、AIがそこまでシミュレーションするためにはさらに何桁か多い量のデータを扱う必要があるのだろうと思います。でもその実現も時間の問題かもしれませんね。
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