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IFストーリー(遥×優希)

 これは優希と遥が結ばれた“かも”しれない、そんなもしもの話。

「優希くん、聞いて聞いて!」
「どうしたんですか?先輩」

 ご飯を準備していた僕がテーブルに作った料理を並べると、嬉しそうに僕に話しかけてくる先輩。

 同居するようになってからは毎日のようにこうしてご飯を食べるようになったけれど、好きな人と一緒にいられるのはやっぱり凄く落ち着く。

 先輩もそう思ってくれていると僕も嬉しいんだけど、聞くのもそれはそれで恥ずかしい。

「あのね、実はわたしがデザインした服、発売することになったんだ!」
「えぇ!?す、凄いじゃないですか!?」
「GloryCuteでモデル始めてからもう5年だけど、ここまで来れたんだなぁ⋯⋯わたし」

 先輩はしみじみとした表情で思い耽っている。

「じゃあ⋯⋯今日はお祝いですね!」
「うん!わたし、折角だし初めてのお酒に挑戦しちゃおうかな?先月に誕生日迎えたし、良いよね?」
「良いと思いますよ!もし、お酒飲むなら何にするんですか?」
「実はワインが気になってて⋯⋯」
「じゃあ、明日のご飯はイタリアンにしましょうか?」
「⋯⋯そうだね!優希くんのイタリアン想像しただけでよだれ出そうになっちゃったよ」
「あはは、先輩に喜んでもらえるように精一杯作りますね!」
「うん!期待してるね!」

 話を終えると、僕達は冷めないうちにご飯を食べ始める。明日先輩に何を作ってあげようかな?



「先輩の好きなカプレーゼに、カルパッチョ、パスタはカルボナーラ、うん!全部完璧!」

 先輩曰く、僕が動画で初めて作ったパスタであるカルボナーラがお気に入りみたいで、僕は昔を思い出しながらテーブルに作った料理達を運んだ。

「先輩、出来ましたよ!」
「わぁー!美味しそう!」
「冷めないうちに食べちゃいましょう!」
「うん、そうだね!」

 そう言うと、僕はぶどうのジュースの入ったグラス、先輩はワインの入ったグラスを手に取り、二人で乾杯をした。

「うーん⋯⋯ワインって結構クセあるんだね」
「そうなんですか?」
「飲めるには飲めるんだけど思っていたよりも甘くなくてびっくりしちゃったって言えば良いのかな?」
「どんな味なんだろ⋯⋯」

 僕は料理用の赤ワインを使うことはあっても、飲んだ事は無かった。だからこそ、どんな味なのか気になってしまう。でも、あと少しの我慢。その時は先輩と一緒に⋯⋯飲めたら嬉しいな。

「んっ⋯⋯でもこれ凄く香りは好きだなぁ」
「香りですか?」
「嗅いでみる?流石に飲まなければ大丈夫じゃないかな?」
「じゃ、じゃあ少しだけ!」

 僕は先輩からグラスを受け取り、香りを少しだけ嗅いでみた。

「あっ、凄くフルーティーな香り⋯⋯」

 そう呟いた瞬間、僕は少し違和感を感じた。

「はれ?」
「優希くん?どうしたの?」
「なんらか、ぐらぐらします⋯⋯」
「えっ、香りで酔っちゃったの!?」
「これが、よっぱらった?」

 あたまがふわふわとしてきて、なんだかいいきぶん。

「⋯⋯優希くん?大丈夫?」

 せんぱいがぼくをしんぱいしてる。

 そのかおをみたら、せんぱいのことがこいしくなってきた。

「せんぱい、ぎゅー」
「え?」
「ぎゅーってしてください!」
「良いの?いつも恥ずかしがってるのに」
「いいんれす!」

 あたまがふわふわして、ふらふらしてる。
 せんぱいがめのまえにいるから、ぎゅーってしたくなってきた。だから、おねだりしちゃった。

「じゃあ⋯⋯ぎゅー」
「ふわぁ⋯⋯せんぱい、だいすき」
「わたしもだよ」

 せんぱいはやわらかくて、やさしく、ぼくをつつみこむ。

「よしよし、優希くん
 いつも、ありがとね」
「せんぱいこそ、いつもおつかれさま!」
「ふふっ、二人とも⋯⋯だね」
「ふたりともえらいです!」
「そうだね⋯⋯優希くん、明日もこうしてハグさせてくれる⋯⋯かな?」
「はい!ぼくもせんぱいとぎゅーってしたいです!」
「じゃあ、約束⋯⋯だよ?」
「やくそくです!」
「じゃあとりあえず⋯⋯」
「せんぱい?」

 せんぱいはぼくからはなれると、きっちんへなにかをとりにいった。

「はい、どうぞ。お水だよ」
「せんぱい、ありがとう!」
「どういたしまして!」

 そしてぼくは、おみずをうけとると、ぐびぐびといっきにのみほした。

「ふぁ⋯⋯」

 お水を飲むと、少しだけ意識がはっきりとしてきた気がする。

「おはよう?で良いのかな?」
「⋯⋯あ」

 その瞬間、僕は今までしていた事を全て思い出した。

「あ、あの⋯⋯い、いまのはその⋯⋯」
「優希くん、はい」

 そう声を出しながら先輩は大きく両手を広げる。

「あ、あの⋯⋯その⋯⋯」
「はい」
「ぎゅ、ぎゅー⋯⋯」

 恥ずかしさで顔が燃え上がりそうになりながら僕は先輩の胸元に収まった。

「優希くん⋯⋯わたしへのプレゼント、このまま今日一緒に過ごすのじゃ、だめかな?」
「そんなこと言われたら、断れないですよ⋯⋯」
「えへへ、ズルくてごめんね」
「⋯⋯でも、先輩の事を好きなのは本当なので、今日だけ、特別です」
「やたっ!じゃあもっとぎゅーってしちゃお!」
「ちょっ、先輩!?」
「優希くん、改めてこれからもよろしくね」
「こ、こちらこそ⋯⋯よろしくお願いします⋯⋯」


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本編と別の場所が良いとの事なのでこちらへ移動しました

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