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「同居のスープ」を公開しました

かるまです。

何とか年内に、リハビリ第二作「同居のスープ」が完成しましたので、早速公開しました。拙い作品ですが、お読みいただけたらとてもうれしいです。
その執筆の裏話を、ささやかですが、ここに記録しておきます。

■ ■ ■

「同居のスープ (in the soup)」は、12月3日に執筆を開始、本日12月31日に脱稿したものです。
12,350字(文庫本換算27ページ)の短編です。本当は1万字以下に収めたかったのですが、これ以上展開を詰められないということで諦めました。1日当たり約426文字(10行くらい?)のペースで書いたことになります。前作「蜘蛛のくらまし」よりは確実にペースが上がっていて、うれしいです。

英題の意味は、「困って」「やっかいなことになって」などというものです。登場人物は主人公のカエデとルームメイトのアサヒが中心になっていますが、この二人の関係のことを指しています。お読みいただけた方には、何となく分かっていただけるかと。

いつも、作品を書くときは大抵お決まりのBGM(テーマソング)を聞きながら構想や作業をするのですが、本作は特になく、無音というか、環境音だけで執筆をしていました。これからも、なにも聞かないで書いた方が捗るかも……と思い始めています。

書いていて苦労した点、一番は、やっぱりこの二人の心情、やりとりの帰結をどう持っていくか、と言うところです。(物書きのくせに)ちゃんと人間を書くのが苦手なので……。特に、最後のあたりのアサヒの態度は、本当にこれでいいのか公開ギリギリまで悩んだのですが、出てきたものを信じることにしました。

二番目は、「スープ病」を物語でどう書いていくかと言うところです。設定全てを描写による表現に頼ることはできないので、設定について説明文を入れるわけですが、読む立場に立てば説明に終始されてもつまらないわけで、バランスがこれであってるのかな~、と心配になりながら書いていました。
とりわけ、露天風呂入浴中のシーンは当初からの予定通り書いたのですが、「ずいぶん都合の良い設定だな~」と思われた方もいるかも知れません。すみません。

三番目は、(周りの登場人物から見たものを含めて)アサヒをどう書くかです。詳しく書くとネタバレになるので言いにくいのですが、スープから人間に戻るまでの表現にはかなり神経を使いました(それでも途中でネタバレ部分に感づいてしまうひとは多々おられると思いますが)。こういうキャラクターは初めて書いたので、ちょっとだけですが、表現の幅を広げられて良かったです。
あと、スープから人間に戻る瞬間の描写を、もっとキラキラした感じにさせたかったのですが、あんまりファンタジックになってもどうかと言うことで、ああいう表現に落ち着きました。

「蜘蛛のくらまし」よりはSFっぽい作品になったかなと思っています。バリバリのSFよりは、こういうゆるいSFやファンタジーを書くのが好きなので、丁度良かったです。

前作に引き続き、作品の末尾には短歌を置いています。この作品は短歌も本当に難しかったです。もっとこう、作品の余韻が膨らむような短歌を目指して精進したいです。

本作で、カクヨムの自主企画イベントに初めて参加してみることにしました。当方、読む方は余り得意でないのですが、できる範囲でカクヨムにも慣れていきたいな……と思っています。

■ ■ ■

今年は、私生活では体調を崩して散々でしたが、一方で、十年近いブランクを打ち破り、短編ながら2作品も完成させられた、自分にとっては記念すべき一年になりました。

来年もこの勢いで、しかし息切れしないように、小説を書いていける一年になればなあと思っています。もし作品を気に入っていただけましたら、今後とも温かく見守っていただければ幸いです。

それでは。皆様よいお年をお迎えください。

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