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残された時間

社会人として仕事をしながら、同時並行的にプライベートで小説を書くというのは、本当にエネルギーが要るものだと思います。
平日に帰ってから書くのはかなり大変ですし、休日にしても普段の仕事疲れを癒すのに時間を使いたくなります。
そうなるとどこにもゆとりなんてないって思いがちですが、でも、やっぱり時間は作るものですし、意気込みがあるかどうかなんだと思います。
『虐殺器官』を書いた伊藤計劃さんは、若くして亡くなられた優れた作家の一人で、もっと生きて、もっと素晴らしい作品を生み出して欲しかったですが、だらだらと緩んだ暮らしを良しとしていた僕は、死期を悟った伊藤さんの言葉に胸を衝かれました。
「小説が書きたいーー」
巻末にそう書かれていました。
『虐殺器官』がとんでもなく面白かった上に、読後の興奮を持ったまま読んだそのあとがきが、僕には衝撃的すぎて、自分はなんて甘えていたんだろうと内省を促されずにはいられませんでした。
あれ以来、書く時間がないなんて言えなくなりました。
残された時間はまだあります。
いい作品が書きたい。
そう思いながら日々を過ごしています。

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