「夜の旅」2話セットを登録しました。
これも10年くらい前に、折り綴じ本で少部数発行したものです。
たぶん関係者以外は覚えている人もいないでしょう(供養)。
同時期に、友だちの宇月信乃さんの漫画をベースにした、「星ねこ鉄道の夜」という4話オムニバス童話を製作しており、そのうちの2話をリアレンジした作品になります。
ご存じのとおり宮澤賢治「銀河鉄道の夜」と実話怪談を合わせたようなエピソードで、題材として新味はないのですが、同じ枠組みで、少し違った具材を入れて調理してあります。
「オリオンのかげに」
タイトルはTetsu Inoueの美しい電子曲「Shades Of Orion」シリーズをもとにしています。
「ぼく」が出会った二人連れは誰だったのでしょう? モデルはあるのですが、個人的な体験をアレンジして描いています。
「スノウフレイク」
これは及ばずながら、光瀬龍っぽいタッチで書きたくて書いてみました。「カビリア4016年」とかあんな感じが好きだったのです。
書いた後で、10年ぶりくらいにテオ・アンゲロプロス「霧の中の風景」を再見したところ、作中の雪が降ってくるシーンを無意識的に影響されてしまっていたことに気がつきました。
映画では、警察に問いただされている主人公の少女と弟、外をみると雪が降りはじめている。「雪だ!」「雪だ!」みんな立ち止まって(動きが停まってしまっている)、その中を少女と弟は走ってゆくというシーンだったように覚えています。
そしてなぜか、自分は田舎の田んぼ道でいちめんに雪が降ってくると、「帰ってきた」という気分になるのです。自分のことではなく、誰がどこに帰ってきたのか、全くわからないのですが・・・。