最近、アナログの執筆を試しています。
古い資料を漁っていた時に、高校時代に書いていた二次創作のアナログ原稿を見つけたのがきっかけです。
当時はバリバリの絵描きで、文章でなにかを伝えるのは大の苦手だったはずですが……アナログ原稿にはノート一冊文、びっしりと手書きの字が書き込まれていました。文章書くのが苦手な自分が、なぜここまでできたのか不思議でした。
そう言えば、今でも紙にメモを取る時はびっしり書いています。小さなメモ用紙にちょっとだけメモするつもりが、気付けば裏面まで字で埋め尽くしていたりします笑
そこで私は考えました。アナログで書く時の方が、はるかにリラックスして書けるているんじゃないかと。
アナログで書くものといったら、授業ノートとか個人的なメモのような、基本的に人に見せることがないものばかりです。自分が見て分かればいいので、文法的に正しく書く必要も、綺麗な言葉で飾る必要もありません。多分これが、すらすら書ける理由なんだと思います。
小説の執筆速度を上げる方法の一つに、「最初は多少雑になってもいいからまずは最後まで書き切る」というものがあります。私も一度試しましたが、なぜか上手くいきませんでした。どうしても途中で直したくなってしまいます。
でもアナログなら……どうせデジタルで打ち直すことになるので、細かいことは気にせず、すらすら書けるはずです。
ということで、今回はアナログを併用して書いてみました。
さすがに全部アナログにすると、構成を変更した時のダメージが大きいので、大きな変更はないであろう書き出し部分だけに留めました(書き出しは結構悩むところなので、それなりに効果はある気がします)。
それにプラスして、A4の裏紙をメモ用紙に使いました。図を書いたり、頭に浮かんだことを殴り書きしたりできるので、なかなか便利です。第三章までは必ずと言っていいほど使っていました。
結果として、執筆日数に大きな改善は見られませんでしたが、高いモチベーションを維持したまま書けたように感じます。今回は特に内容が多く、構成が難しかったので、よくやった方だと言えるでしょう。
あとは、生活環境ですね……
このところは鬱と遅めの五月病でふさぎ込む日が多かったです。
そろそろ放っておくわけにもいかなくなったので、精神科にも相談しながら仕事と創作を両立する方法を模索していきたいと思います。
* * *おまけ(最新話解説)* * *
最新話には鏡を使った感覚鍛練が出てきますが、実はこれ、みなさんも体験することができます。
幻肢と言って、事故などで手足を失った人の中には、無くなったはずの手足がまだそこにあると感じることがあるそうです。そしてそれは時として痛みを伴います(幻肢痛)。脳から指令を出したのに、フィードバックがないからだとかなんだとか――
この幻肢痛を治療するために考案されたのが、鏡を使った治療です。
健常な手足を鏡に映すことで、無くなった手足がそこにあるという視覚情報を脳にフィードバックし、痛みを和らげる効果があるそうです。
妖刀術の仕組みを考えているうちに、ふと、テレビ番組で紹介されたこの現象を思い出し、逆に感覚をずらすパターンを物語に取り入れてみました。
あまりやり過ぎると、隠れている方の手に痛みが出る可能性があるので、ほどほどに。