もうだいぶ前のことですが、『宝永の乱』をとある出版社に持ち込んだ時に、編集から「ジャンルがねぇ……これ、伝奇ですよね?」と言われたことがありました。
些細なことかもしれませんが、結構ショックでした。
魔物が出てくる西洋ものを見せて「伝記ですよね……」とか言いませんよね。「ファンタジーか……王道だね!」ってなるはずです。なんで舞台を日本にしただけでマイナーになるんでしょうか。もっと自国を愛しましょうよ笑
この前読んだ『バクマン』という漫画にも、「刀は少年漫画の王道だ」というセリフがありました。刀と言ったら日本です。それにファンタジー要素を掛け合わせれば王道中の王道です。
だから『宝永の乱』も、伝奇呼ばわりされるまでは全くマイナーだと思っていませんでした。どうしてこうなったんでしょう……
思い当たるのはやはり「妖怪」というワードです。
私のイメージだと、西洋ものに出てくるドラゴンとかの怪物も、作中では「妖怪」と呼べます。でも初めて『宝永の乱』を読む人はそんなイメージを持たないでしょう。(伝統的な妖怪は、西洋と違ってヘンテコな姿のが多いですから)
実際には、本作における妖怪はもともと異能力を説明するために設定したものであって、あまり登場機会はありませんが、「妖怪」というワードだけで拒絶反応を示す場合もあるでしょう(私が「転生」ものを読まないのと同じように)。
漫画なら伝わると思うのですが、小説だと伝わり辛い(わざわざ書くことではないですし)。妖怪というワードを変えるしかないのかもしれません。「妖魔」とか……?
完全に置き換えるのは抵抗がありますが、できる範囲で試してみたいです。