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シノプシスサンプル

 先刻アップしたプロットサンプルの第一章第一節部分をアップします。

 シノプシス段階では、プロットをさらに細かくして、具体的に書く内容を決めていきます。冒頭部分は物凄く細かく決めますが、後半部分は三行、四行ぐらいで終わることもあります。要するに作品のイメージが固まればいいので、少ない文字数で書くべきことがはっきりしていれば、こんなに細かくすることはありません。


第一章
チャーチルはバスラで原と会う。
  チャーチルは原と会い、大戦戦略について語り合う。イギリスは、アメリカ
  の意向を受けて、宣戦布告している。どうにもならなかったとチャーチルは
  言うが、オランダが宣戦布告していないのだから、何とかしのぐことはでき
  たはずと原に言われて沈黙。原が主導権を取る形。
  二人は、今後の戦略について語る。少なくとも、大英帝国は、日本と対峙す
  るつもりはない。アメリカが言うほど、日本は悪い国ではない。むしろ、ア
  ジアの要。 今後ともその役目を果たして欲しい。アメリカは、中国を軸に据
  えたいと考えているようだが。無理だ。あの国には腐敗が進んでおり、相当
  に厳しい。満州共和 国を打倒できないのも、そこに理由がある。日本がアジ
  アの軸となって今後の体 制を守る。
  叛乱が起きれば、軍隊も送り込む。ぜひとも協力して欲しい。こちらのメリッ
  トは。日米戦争の終結に手を貸す。フランスや和蘭を動かしてもいい。今の
  ところ、我々は負けていない。互角以上の戦いをしている。アメリカが本気に
  なれば、いずれは押しきられる。国力には圧倒的な差がある。単独では。仲間
  がいれば、話は別。そんな国は。そこでチャーチルは察する。ソ連か。彼らを
  味方に。可能性はある。アメリカとソ連はドイツを相手に戦っている。アメリ
  カの支援なしでは、ソ連は戦い抜くことはできない。当然、アメリカの意向に
  逆らうことはできない。
  それは、ドイツとの戦いが終わるまで。その先はどうなることか。今のところ、
  米ソの関係はいい。だが、それはいつまでつづくのか。アメリカは、ソ連の協
  力を引き出すために、妥協しすぎてはいないか。ソ連は、単独講和を餌に、欧
  州の勢力拡大を徹底してねらってはいないか。何より、ソ連の指導者は、あの
  スターリン。彼を信頼できるのか。あなたはできるのか。チャーチルは答えな
  い。本当に、アメリカとソ連の関係がこのままであるとは思えない。ドイツが
  負けるまで、我々が持ちこたえれば、協調は可能。日本はソ連を信頼できるの
  か。信頼できずとも手を組むことはできる。あなた方がそうであったように。
  結論を急ぐつもりはない。はっきりさせておきたいのは、我々はイギリスと敵
  対するつもりはないこと。フランスやオランダも同様。我々もそれは同じ。そ
  して、できるだけ早くアメリカとの戦争を終わらせること。それも同じ。もし
  かしたら最終的に目指すところは違うのかもしれない。とりわけアジアについ
  ては。だが、
  今は手を取り合うことはできるはずだ。世界平和を目指す者として。うなずく
  チャーチル。これから先は連絡を密に。コードネームを決める。では。二人は握
  手する。

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