蝶番祭様がレビューコメントを下さいました。
私にとって、生まれて初めていただくレビューコメントです。
それだけでも感激なのに、なんと素晴らしい内容・・・感動のあまり涙が止まりませんでした。
もしも目の前に蝶番祭様が居られたら、思わず抱きしめたでしょう。
私はレビューコメントへの返信の仕方がわかりません。
だから、近況ノートで感謝の気持ちを・・・到底筆舌には尽くせませんが・・・書かせていただきます。
そして皆様にも、蝶番祭様の名文を御覧いただきたくて、以下にコピーさせていただきます。
蝶番祭様、本当に有難うございます。
貴女の愛情と勇気と才能に心から敬意を表します。
「<激動と栄光のルネッサンス期に侯爵夫人の夢は開く>
ほんの少し歯車が狂えば、ひとつの国が滅び、諸侯は荒地に逐われる…
戦火の絶えない激動の季節に生まれ、翻弄された侯妃の視点から紡がれる壮大にして繊細な歴史のドラマです。
コンスタンティノープル陥落にメディチ家の覇権。中世の欧州は世界史でも多くの頁を割かれません。ましてや現在のイタリア北部に多数存在した小さな公国や侯国は埋もれてしまい、一般的な知識としては実に乏しい。
作者は、そうした時代の一人の女性にスポットを当てます。幼くして許嫁となり、若くして祖国を離れてマントヴァ侯国に嫁いだイザベラ。やんごとなく、誉高い才媛にして、優しく慈悲に満ちた女性。多感で涙脆いところは長所です。そして、誰よりも文化芸術をこよなく愛し、育もうとする。
しかし、激動期です。大国の思惑が交錯する中、小国は荒波に揉まれ、繰り返し、絶え間なく、存亡の危機に瀕します。故あって侯国の指揮を任されたイザベラは知恵を絞り、勇気を奮い、国安らかなことを祈って、立ち回ります。抗います。
あたかも聖女のよう。小さな瞳が見詰める大きな歴史のうねりが、この物語の横軸となります。
同時に、ルネッサンスの最盛期です。中盤、物語には正に世界史的な天才アーティストが色を添えます。ダヴィンチです。
彼が描いた『モナリザ』は、仏ルーブル美術館の所蔵品。イタリアが産んだ傑作が何故、隣国の国宝級絵画なのか? その疑問を解く鍵、往時の複雑な仏伊関係も、この作品では手を取るように理解できます。
でも、歴史解釈や講釈がメインではありません。小さな侯国を文化の咲き乱れる都にする…そんな主人公の逞しい意志が縦軸です。
ルーブルには同じダヴィンチ作の美人画が所蔵されています。タイトルは『イザベラ・デステの肖像』。そう、本作の主人公、イザベラ侯妃です。向きは違うけれど、豊かな髪や鼻筋、腕の組み方まで、あの傑作と同じ…
重みのある史実に、うっとりするような歴史ロマンも巧みに編み込まれ、読後感も爽やかな、丁寧で美しい作品に仕上げられています。
欧州の知られざる中世史に興味がある方も無い方も、きっと満足される、いわば万人向けの女性一代記です。」