音が紡ぐ二人の憧憬、それは空に散った夢の光景
第21話:ボク達のライブ!③
https://kakuyomu.jp/works/16817330661241489056/episodes/16817330664928792234第22話:音で気付く二人
https://kakuyomu.jp/works/16817330661241489056/episodes/16817330665010498596昨日更新した話で二章完結致しました。
この章を書く際のプロットである曲をコンセプトにして執筆を始めたのですが読んでいて気付いた人もいるのではと思います。
特に第20話:ボク達のライブ!②
(
https://kakuyomu.jp/works/16817330661241489056/episodes/16817330664749026817)
がそれですよね。
そう、この章のコンセプトはMONGOL800さんの「小さな恋のうた」でした。
誰もが知る名曲ですよね!
20話では琴ちゃんが自分の気持ちに気付く時にこの「小さな恋のうた」の歌詞に使われている単語やフレーズを用いました。
ライブハウスでのライブを成功させるというテーマと琴ちゃんが自分の気持ちに気付くというテーマの二本立てで行こうとプロットを作ってる時にある出来事を思い出したんです。
大学の部活でストリートミュージックに触れる機会が多く、またその関連のイベントにも呼ばれる事がよくありました。その中で経験した忘れられない出来事です。
9月。山に囲まれた港町。その船乗り場にてその地域で活動するストリートミュージシャンが中心となって行われた音楽夏祭りに出演者兼イベント運営のお手伝いとして参加してました。台風直撃の前日だったのをよく覚えてます。
オープンマイクのイベントやストリートミュージシャン達や招待されたアーティストや僕たちのような学生が出演するステージがあり、地元で人気な屋台なんかも来ていてとても賑わっていました。(招待された人の中には誰もが知る有名歌手のサポートメンバーとして長い間活躍されていた人などが居ました)
近づく台風のため荒れる天気。そんな中イベントも最後の演奏者を迎えます。
ステージに上がったのは背の小さな女性。多分40歳くらいかな?どうやらストリートミュージシャンの仲良しメンバーの1人らしく普段は歌わないみたいな感じでした。
運営の手伝いとして最後まで残っていた学生、僕と先輩の二人は、失礼ながらも「もっと上手い人がトリをするのかと思った」などと話していました。
そりゃそうですよね。有名な方やとても上手な人が多くいる中、盛り上がったイベントのトリを飾るのが普段あまり歌わないっていう人ってなると、あれ?ってなりますよね。
そんな女性がステージ立つとその仲の良い周りの人達が泣き出すんです。
え?なにごと!?って思っていると女性のMCが始まりました。
「今から歌うのは先月亡くなった旦那と初めて会ったこの場で初めて一緒に演奏した歌なんです」
何も知らなかった人達、僕たち含め動揺してると
「歌います。小さな恋のうた」
といって動揺する人たちを置いて演奏が始まりました。
初めは1人で女性が歌ってるだけだったんですが段々と周りの人も歌い出してサビに入る頃には大合唱。
皆んなで泣きながら歌う「小さな恋のうた」を僕は一生忘れられないのです。
ライブのトリをこれほどない形で締め、亡くなった旦那さんへ愛を歌ったあの女性の「小さな恋のうた」が忘れられないのです。
もう台風前で大荒れの天気なんて関係ありませんでした。ただそこには人の心を動かす歌があったのです。
この出来事をリンクさせたのが今回の「音が紡ぐ二人の憧憬、それは空に散った夢の光景 2章:音で気付く二人」でした。
以上が二章の裏話。
僕はプロットを考えている間更新を止めますが是非
音が紡ぐ二人の憧憬、それは空に散った夢の光景
https://kakuyomu.jp/works/16817330661241489056をよろしくお願いします!
長くなりましたがここまでお付き合いいただきありがとうございました!