葉月恋の第8話 「冬のピアノの一音」をアップしました。
最初ね、サティのジムノペディを イ長調って書いてしまって
日野侑さんに、ニ長調じゃない?って 気づいて教えていただいたの。
ありがとうございます。感想も添えてくれて指摘してもらった。
このピアノの話は、書いていて難しかった。
私は自分がピアノを弾いていたから、どこかでただ自分の感覚だけで
強引に言葉にしてしまったところがあると思う。
ここが原因で、すごく相棒とぶつかった。
最初は原稿を読んでももらえなかった。甘えてた。
どうしていいか途方に暮れた。
書く題材に選ぶものって、自分が知っているものが多い。
未知のものに手を出すのは大変だし、間違いも怖い。
でも、プロでもない限り、中途半端に知っているというものだらけで
何を書いても、専門家じゃないから、きっとアウトだ。
それでも、ありったけの想いで何か書いていく。
今まで、詩みたいに、想像の世界みたいに、曖昧な文章で
言葉を感覚だけで並べてきた私に、如月君との出会いは
フランス革命みたいなものだった。(あ、怒られそう。笑)
書いたものに責任があるんだよって、考えてもみなかったんだ。
だって、自由でしょ、何を書いてもって。
でもね、ちがうよね。
すっごく自信がなくなった。何を書いても認めてもらえないって
縮こまって膝抱えて、見捨てられそうだった。
少しずつ、わかってきたんだ。書くことは伝えること。
ひとりよがりじゃいけないんだってこと。
そんなことを言ってるけど、まだ何もわかっていないんだよ、私。
きっと、ずっと、迷いながら。でも、気づけてよかったことが
たくさんある。一人じゃないからできること。
ピアノの音。誰でも押せば音の鳴る楽器。
でも、私の指と あなたの指では 奏でる音がちがう不思議。
こうして、私はまた一歩 進んでいける。
ドビュッシーを聴きながら、色々抱きしめたくなる午后でした。