## テーマ
恐怖はSNSからはじまった
扉の向こうは不思議な世界
## 世界設定
現代。割と都会みのある地方都市。近くに廃寺があったりするかんじのやつ。
## キャラクター設定
・正樹 翔(まさき・ペがさす)
主人公。キラキラネームが恥ずかしいわけではないが、一々初見の人相手に説明するのが面倒なので普段はショウと読ませている。17歳。オカルト研究部部長。普段はクールだがオカルトのことになると密かに情熱を燃やすタイプ。
・鶴ヶ谷 佳奈(つるがや・かな)
ヒロイン。27歳の美人教師。オカルト研究部の顧問。愛読誌は『メー』(いわずもがなあのムから始まるオカルト誌のもじり)。心霊写真を撮るために廃墟めぐりをしている。※過去に巻き込まれた事件の影響で周囲に十分な霊力があるときは実質不死身でいられる。
・笹木 良(ささき・りょう)
主人公の後輩。16歳。今回の依頼主。SNSで流行する謎の儀式に興味本位で手を出した結果、毎夜奇妙な夢を見るようになってしまった。
・倉品 火星(くらしな・まあず)
主人公の先輩。大学生。誰に対しても自分の名前を「まあず」と読ませる親孝行な息子。先々代のオカルト研究部副部長(先々代部長は謎の失踪を遂げたので、実質先々代部長でもある)。儀式参加時の心得などをレクチャーしてくれるが、いま(作中時期)はレポートでそれどころではない。
・浅川 ねね(あさかわ・-)
主人公の後輩。笹木のクラスメート。主人公と笹木のつなぎ役。
## ストーリー
正樹と鶴ヶ谷はある日、笹木からの相談を受ける。その内容は、面白半分でSNSに送られたメッセージの通りに儀式を行ったら変な夢を見るようになった、というものだった。夢の内容は、見知らぬ建物の中で、何かに切り刻まれる夢。起きた直後は不特定多数の人々を刺したくなる衝動にも駆られ、最近テレビやネットで取り沙汰される死傷事件もそれがきっかけなのではないかと推測する。その話を聞いた二人はさっそく、笹木にメッセージを送ってもらい、同じ儀式を行う。
その夜、鶴ヶ谷は夢を見た(正樹は本名(マサキ・ペガサス)を名乗らなかったため(マサキ・ショウと名乗った)、儀式に失敗して夢を見なかった。なぜ本名を名乗らなかったかについては、倉品からのアドバイスで本名を名乗らなくてお良さそうな儀式だと考えたため)。夢に出てくる場所が笹木の見たものと同じ建物と推定でき、なおかつそこが鶴ヶ谷の知る廃墟であると判明した三人は、深夜、その廃墟へ向かう。
廃墟の中、ある扉の前で、笹木と鶴ヶ谷の二人が倒れてしまう。同時、扉が開きその先から現れ出た何かに二人が扉の向こうに引きずり込まれる。
正樹は扉の向こう側の存在から笹木と鶴ヶ谷を取り戻すべく、扉の中へ。すると、そこには奇妙な世界が広がっていた。空があった。月は二つあり、その空に、一つの影が浮かんでいる。それは怪物だった。全身に人の口を、側面に人の指を、つま先に目を、背面からはケーブルをいくつも生やしたその怪物を見て、しかし正樹は冷静に交渉をしようとする。怪物の正体は、ネットの世界でしか己を偽れない人々を脆弱な存在だと断じ、そうした人々を取り込もうとする朽ちた妖刀のなれはてだった。
正樹は自分が己の名を常に偽り続けていることを告げ、怪物に一騎打ちを挑む。怪物は鶴ヶ谷の身体を操り、正樹に日本刀を与え、鶴ヶ谷を切るように告げる。正樹は承諾し、鶴ヶ谷の身体を切る。
結果、鶴ヶ谷の肉体は周囲の霊力を吸って再生を始め、扉の向こうの世界は崩壊。妖刀は力を失ってただの妖刀に戻った。
鶴ヶ谷と笹木を回収し、廃墟の外から近くの国道へ行くと、浅川と一緒に倉品が迎えに来ていた。笹木を倉品の車に乗せ、正樹は鶴ヶ谷の車に乗り込み鶴ヶ谷が起きるのを待つ。