• 現代ドラマ
  • 創作論・評論

ぽんぽん丸甲子園 予選突破3作目

たまごの女/片生桑子(中尾よる)さん
https://kakuyomu.jp/works/16818093073493938240

いい!!これぞ恋愛小説!!

私がこれまでカクヨムで読んだ恋愛小説の多くが恋愛を説明しようとしていました。でもこの物語は恋愛しています。

恋愛に理由なんていります?安全で幸せでないとダメでしたっけ?

もちろんちゃんと働いて、部屋が綺麗で、貯金もある人と恋愛した方がいいです。理性的で優しくて熱意もあって寄り添ってくれる恋愛がいい。これは絶対そう。でもそんなん読まなくても知ってます。

知らない恋愛について、予想できない恋愛について書くべきでは?

なのでわからないままで好きになってもいいと思います。多くを失いながら恋に走っても良いと思うんですよ。職を失い、ゴミだらけの部屋、空の銀行口座。理性とか優しさとか熱とかなんもわからん。そんな恋愛でも別に良いと思うんです。

恋愛って普段自分を守っている殻から出てやわい中身を晒してしまうんですよ。溶き卵みたいに混ざってしまうかもしれない。そんな危うさこそが恋愛の黄身の部分です。

殻のまま恋愛しようとしてる物語はもうちょっと割れてしまってもいいのになといつも思います。白身くらいこぼしてほしいなとさみしい気持ちになります。

なのでこの物語のような先のわからない摩訶不思議な恋愛こそ、否定したりせず大切にしたいです。またそういうイミフなところこそ理屈じゃなくて物語で書くべきかなと思います。

さあ、だとすると『第一歩をどうするのか?』
ありあり書かれていました。

情動に任せてしまえばいい。異性という何者かもわからない、不可思議な存在と過ごして魅了されてしまう。その結果が心地良かったらそれでいい。

先々ではなく、ここに生まれてしまった幸せをどう大切にするか。幸せになってから、あとから溶かれた2人、必死に考えて頑張ったらいいのだと思います。そう感じられる、どんな恋愛も肯定してしまえる、たまごみたいな万能食材的恋愛物語です。

これぞ恋愛小説です。片生さん、予選突破おめでとうございます!!

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する