離島は孤島になる

 冬将軍がやってきた。
 この両日は全航路が結構になっていた。
 岸壁には灰昏い船が停泊していて、その船体を揺すぶるように寒風が吹き荒れる。
 既に氷点下になっていたし、外水栓は凍結していた。
 島民は慣れたもので数日間の食材を買い揃えていて、商店の棚も疎になっていた。

 離島は孤島になっていたが、今夜からは航路が復活してくれる。
 生活の動脈が動き始める。

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