以前に比べると、散文詩を書くことが随分と増えましたね。……あっ、違うな。二十年くらい前は散文詩をもっと頻繁に書いていたので、「大昔の自分に戻ってきた」というところかも知れません。いや、知らんけど。
僕は、詩の中に思想的な要素を入れ込むことについて、割と積極的に支持するタイプです。……とは言え、今作において、思想表現のために自分が持つ言葉の響きを犠牲にした箇所はありません。
本作が散文詩として、また芸術として成功しているか否か、それはぜひ読者がお決めになって下さい。僕はただ、いつものように、生活をデッサンするように書いているだけです。